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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

トランプ政権が対中追加関税を発動-中国側も報復措置を実施

  • 「貿易戦争の転換点」であり米国は万策尽きつつある-環球時報
  • 関税で中国に圧力を掛ける米政府の手法は逆効果との意見も
A container ship passes in front of containers and gantry cranes at the Haitian Container Terminal, operated by the Xiamen Port Authority, in Xiamen, China, on Monday, Aug. 26, 2019. After a weekend of confusing signals, only a few negotiators in Beijing see a deal possible ahead of the 2020 U.S. election, in part because it’s dangerous to advise President Xi Jinping to sign a deal that Trump may eventually break, according to Chinese officials familiar with the talks who asked not to be identified.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

トランプ米政権は1日、約1100億ドル(約11兆7000億円)相当の中国製品への追加関税を発動した。世界経済に打撃を与えている米中貿易戦争が一段とエスカレートした。

  今回の15%の対中追加関税は、アパレルや履物といった消費財や「アップルウオッチ」などの一部ハイテク製品が対象となる。

  ノートパソコンや携帯電話などの約1600億ドル相当の中国製品には、12月15日に新たに15%の追加関税が課される。トランプ大統領が年末商戦への影響を和らげるため対中関税を一部先送りした。

President Trump Departs White House For Camp David

トランプ大統領

Photographer: Al Drago/Bloomberg

  中国共産党機関紙の人民日報系の新聞、環球時報は1日夜に新たな関税発動について、米国との「貿易戦争の転換点だ」と論評。日用品への関税は米国の消費者を直撃するとともに、米政府が万策尽きつつあることを示したと指摘した。

  同紙は論説で「米経済がうわべの繁栄を維持することは不可能であり、一段と大きな凋落(ちょうらく)のリスクに直面している。トランプ政権は墓穴を掘っている。米国民の痛手がますます強まれば、米政府が合理性をとり戻すべき時かもしれない」と記した。

  トランプ政権は貿易戦争長期化への懸念を否定しているが、米国の経済団体は新たな関税を撤回し、米中貿易協議を再開するよう求めていた。

  同大統領は関税が発動した1日、「今も中国に話をしている。協議する方針に変わりはない」と記者団に発言。関税の「負担を強いられている」のは米国ではなく、中国だとの主張を繰り返した。また米農産物に関する中国の報復で打撃を受ける米国の農家は、連邦政府による資金給付で「損害を補う以上」の状況だとも述べた。「中国がわれわれを食い物にするのをこれ以上許してはならない」と話した。

中国も報復措置

  中国の報復措置も発動された。約750億ドルの米国製品が対象で段階的に実施。1日には米国産豚肉、牛肉、鶏肉や他の農産品に10%、大豆に5%の追加関税が適用された。12月15日に小麦やモロコシ(ソルガム)、綿花に10%の追加関税が課される。中国は9月から米国産原油に5%の追加関税を課すが、液化天然ガスへの新たな関税はない。

  米国産自動車にも12月15日から25%の追加関税が再開される。一部の車種には10%が上乗せされる。自動車に対する既存の一般的関税を考慮に入れると、米国車にかかる関税率は最高50%になる。

  中国は米国が圧力を掛ける戦術を繰り返し非難しており、同国当局者は長期的な対立に備えている兆しがある。

  中国国営の新華社通信は関税発動後の論説で、「米国の経済的な戦争挑発と戦う中国の決意はより強くなっており、対抗措置はさらに毅然(きぜん)とし、計画的で狙いを定めたものだ」と指摘。「ホワイトハウスのタリフマン(関税男)が学ぶべき」1つの事実は「中国経済が進行中の貿易戦争でもたらされた圧力に抵抗するのに十分力強く、回復力があるということだ」と主張した。

  全米民生技術協会(CTA)のゲーリー・シャピロ会長は関税を使って中国に合意への圧力を掛けるトランプ政権の手法が逆効果となっていると指摘。

  同会長は「米企業は絶えず変化する貿易ルールにより多くの資金を使う必要があり、技術革新や新製品、米国経済の健全性への資金が少なくなっている」と述べた。

原題:Trump Heaps More Tariffs on China, Still No Deal in Sight(抜粋)

(環球時報の論評を第4、第5段落に加えます.)
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