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ウシオ電社長「今年はEUV元年」-半導体検査光源、来年度黒字化へ

  • EUV使った半導体の量産化へ供給網整いつつある
  • マスク検査装置向け光源、19年度は30億円の販売見込む

ウシオ電機は、より高性能な半導体製造に不可欠な検査装置の光源事業について、2020年度の黒字化を目指す。人工知能(AI)や次世代通信システム(5G)の進展に伴い、長期的な需要拡大を見込んでいる。

  黒字化を目指すのは、次世代半導体の回路の焼き付けに必要なマスクと呼ばれる部材向けの検査装置の光源。光源は、検査で使われる「極端紫外線(EUV)リソグラフィ」を量産技術として確立するために必要で、量産向けとしては初めて検査装置メーカーに7月に納入した。半導体の性能向上のカギを握る回路線幅の微細化に向け、小型で高輝度である点が優れている。

Ushio's lithographic UV lamp

リソグラフィ用UVランプ

Source: Ushio Inc.

  内藤宏治社長はインタビューで、EUVを使った半導体の材料・部材製造や関連装置などのサプライチェーン(供給網)は整いつつあるとの認識を示し、「今年がEUV元年になる」と語った。同社の光源を搭載した検査装置の採用が進めば「EUV全体の生産効率や歩留まりが上がってくる」とみている。

  マスク検査装置向けの光源は、ウシオ電の売上高(18年度で1651億円)の約2割(同353億円)を稼ぐ光学装置事業に位置付けられ、19年度は30億円の販売を見込む。EUV技術を使った半導体は、韓国のサムスン電子や台湾積体電路製造(TSMC)が量産に取り組むほか、米インテルも計画している。

18年度の事業別売上高

売上高は1651億円、営業利益は85億円

出所:会社資料

単位:億円

  内藤社長は「家庭用や自動車に参入すれば一穫千金みたいな仕事もあるが、私どもはマスを追いかけない。ほかの人がやらないような仕事を追求していく」と話す。検査装置向け光源の納入では、研究開発機向けの製品の性能に加え、EUV光源を巡る研究や開発実績が評価された。

EUV exposure and analysis facility with Ushio's light source

ウシオ電機のEUV光源を搭載した露光、分析システム

Source: Ushio Inc., TNO

  ウシオ電は紫外線や可視光、赤外線に関連する技術を生かした製品を生産しており、半導体のほか、映像装置や医療などを事業領域とする。半導体リソグラフィー用UVランプ(80%)や光配向装置(85%)など高いシェアを誇る商品も多い。

Ushio Inc. President Koji Naito

内藤宏治社長

Source: Ushio Inc.

  半導体生産ではシェアを落とした日本のメーカーだが、素材や関連装置では高い世界シェアを維持する。EUV分野ではJSR東京応化工業が回路焼き付けに使うレジストを生産。HOYAAGCだけがマスクの元になるマスクブランクスを製造し、その検査装置はレーザーテックが市場を独占する。

  楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは微細化の動きについて、「5GやAIが起爆剤となり、高速処理が可能な半導体の需要は今後も強い」とし、それに不可欠なEUV技術の導入も広がっていくと予想した。

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