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【先週の新興国市場】通貨指数は8月全週で下落-貿易戦争で混乱

  • MSCI新興国通貨指数は月間ベースで2012年5月以来の大幅安
  • 8月はアルゼンチン危機、人民元下落、米逆イールドなどに揺れる

8月は報復関税が市場を揺るがし、新興国通貨の指標は2012年5月以来の大幅安となった。リスク資産の暗い見通しに加え、アルゼンチンは本格的なソブリン危機に陥り、中国は人民元の大幅下落を容認。米債券市場は07年以来の逆イールドとなった。MSCI新興国通貨指数は8月全週で下落、新興国株の指標は月間ベースで5月以来の大幅安となった。

8月30日終了週の新興国市場の主なニュースは以下の通り。

主なニュース:

  • トランプ政権は9月1日、約1100億ドル(約11兆7000億円)相当の中国製品への追加関税を発動した。世界経済に打撃を与えている米中貿易戦争が一段とエスカレートした
    • トランプ大統領は8月30日、9月にワシントンで予定されている米中の貿易交渉担当者による協議は「現時点では」行われる方向だと語った
    • 中国メディアの財新によると、劉副首相は26日、「われわれは貿易戦争の激化に断固反対する」と発言。ホワイトハウスの高官2人は25日、トランプ大統領には米企業に中国からの撤退を強制する権限があるが、実際にそれを行使するかどうかは別問題だと述べた
    • トランプ大統領は26日、米国との通商交渉を担当する中国の劉鶴副首相の発言を称賛し、中国は取引を望んでいると述べた
  • 中国商務省の高峰報道官は29日の定例記者会見で、「中国には米国に報復する手段は十分あるが、今話し合うべき問題は新たな関税を撤回し、エスカレートを防ぐことだと考えている」と述べた
    • 中国経済は8月に一段と減速した。国内景気の低迷や対米貿易摩擦の激化、世界貿易の悪化が重なり、先行きの見通しに影を落としている
  • ムニューシン米財務長官は28日、トランプ政権として現時点ではドル相場に介入する意向がないことを明らかにした。長官はまた、将来のいかなる動きも米金融当局や世界の同盟国と協調するのが望ましいとの考えを示唆した
    • ムニューシン長官は28日、米国の通商当局者は中国の交渉担当者がワシントンを訪問すると予想していると述べた。だが、貿易協議が9月に予定通り行われるかどうかは明言しなかった
  • アルゼンチンのラクンサ財務相は28日、通貨ペソが急落し、国債相場が過去最安値に下落するなど混乱する市場の沈静化を図るため、民間投資家と国際通貨基金(IMF)向け債務1010億ドル相当の支払期日の先延ばしを目指すと発表した
  • トランプ大統領はイランとの首脳会談に前向きな姿勢を26日示唆したが、イラン側は実現の可能性をほとんど排除している。ロウハニ大統領は27日、米国が対話を望むなら、まずは対イラン制裁を解除しなければならないと述べた
  • 株式相場の下げが7週連続となる中、新興市場の上場投資信託(ETF)は資金が年初来で純流出に陥る寸前となった
資産別指数(ニューヨーク時間30日午後4時20分現在)週間8月
MSCI新興市場指数+1.1%-5.1%
MSCI新興国通貨指数-0.6%-3.4%
ブルームバーグ・バークレイズ新興国市場の自国通貨建て国債指数(29日まで)-0.6%-2.6%

アジア:

  • S&Pグローバル・レーティングは、中国国債の信用ファンダメンタルズに対する主なリスクは国内要因になる可能性が高いと指摘した
  • 韓国銀行(中央銀行)は30日の金融通貨委員会で政策金利である7日物レポ金利を1.50%に据え置くことを決めた。ブルームバーグが調査したエコノミスト25人のうち22人が金利据え置き、3人が0.25ポイントの利下げを予想していた

EMEA:

  • ハンガリー中銀は長期インフレ見通しの下振れリスクが強まったとの認識を示した。これは政策当局者が追加引き締めを見送る用意があり、金融緩和の必要性を検討する可能性を示唆している。同中銀は9月に総合的な政策見直しを発表する予定
  • ポーランドは27日、初の財政均衡化計画を発表した。指標となる国債利回りは1年5カ月ぶりの大幅な低下

中南米:

  • S&Pグローバル・レーティングは29日、アルゼンチンが1010億ドル相当の債務の支払期日延期を目指すと発表したのを受け、同国の外貨および現地通貨建ての信用格付けを従来の「B-」から「選択的デフォルト(SD)」に引き下げた。S&Pは短期債務の新しい条件がすぐに発効したため、デフォルトが「是正された」と見なし、8月30日にアルゼンチンの長期ソブリン信用格付けを「CCC-」に引き上げると説明した
  • ブラジルの経済活動は第2四半期に回復し、信頼感悪化からリセッション(景気後退)に逆戻りするとの懸念が和らいだ
今週発表のデータ
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原題:EM Review: August Tumult Ends With Trade War Dictating Mood(抜粋)

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