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ムニューシン財務長官、超長期債発行踏み切るか-市場不安定リスクも

  • 50年債や100年債発行のアイデアには米国債発行諮問委が重ねて難色
  • 30年債利回りは過去最低を更新、より長期に借り入れコスト抑制可能

米政府が超長期債発行の可能性について検討を再開したことは、投資家に配慮して過去数十年にわたり用いてきた戦略からの転換を示唆するものかもしれない。

  そして、超長期債発行のアイデアには、財務省の米国債発行諮問委員会(TBAC)があらためて難色を示す公算が大きい。TBACは過去に超長期債の発行に否定的な勧告をしており、その見解は変わっていないと現在および以前の考えに詳しい複数の関係者が明らかにした。

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  米財務省は1970年代に入り、比較的場当たり的に戦術ベースで行っていた国債入札のやり方を改め、スケジュールに従って実施する方法に切り替えた。

  トランプ政権が50年債や100年債の発行の可能性を巡りあらためて検討に着手したことは、戦術的な判断であるとウォール街の一部で受け止められている。米長期債利回りは超低水準にあり、超長期債を発行することになれば、一段と長期にわたって政府の借り入れコストを低めに抑えることができる。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米金利戦略責任者、マーク・カバナ氏は「米財務省は市場におけるタイミングを見計らい、超低金利を踏まえてそれを利用すべきだとする姿勢を強めている。定期的かつ予測可能な管理手法からの極めて大掛かりな転換を意味する」との見方を示した。

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  米財務省にとって、これほど良いタイミングはないだろう。30年債利回りは28日、1.90%を付けて過去最低を更新した。

  ムニューシン財務長官は28日、超長期債の発行の可能性を「非常に真剣に検討」していると発言。ワシントンでのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語ったもので、「状況が適切であれば、われわれは長期の借り入れを活用し、それを実行することになろう」と説明した。

  一方、TBACはかねて、超長期債を長期にわたって一貫した形で持続的に発行することは不可能だとする立場を表明しており、10月に予定されている次回会合でもこれを繰り返す公算が大きいと事情に詳しい複数の関係者が語った。

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ムニューシン財務長官

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  2017年当時のTBAC委員長で、現在はヘッジファンド運営会社ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントの米国担当チーフエコノミストであるジェーソン・カミンズ氏は、「50年債ないし100年債発行に利点があるかという議論について、TBACが17年5月に示した見解は今も同じだ。発行を長期にわたり定期的かつ予測可能とすることを目指す財務省の目標を強調しているからだ」と話した。

  TBACの勧告はムニューシン財務長官の制約となるものではない。しかし、TBACやウォール街の投資家が難色を示したことを受け、同長官は就任後の早い時期に同様の計画を棚上げした経緯がある。

原題:Mnuchin Risks Unsettling Markets With Ultra-Long Treasury Bonds(抜粋)

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