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トランプ大統領、対中融和姿勢示すも戦術堅持-合意遠のくとの見方も

  • 「これが私の交渉の仕方、米国にとってうまく行っている」と大統領
  • 合意のための政治的余地極めて小さい-CSISのブランシェット氏

トランプ米大統領は、中国に対し融和姿勢を示してフランス・ビアリッツでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)を終えた。わずか数日前には中国の対米追加関税の対抗措置として対中関税引き上げを表明し、金融市場を揺るがしたばかりの大統領は同時に、中国に通商合意を強いる強引な戦術を改めるつもりがないことも明言した。

  他のG7首脳から中国との緊張を緩和するようサミット期間中に促されたトランプ大統領は26日、「中国が昨夜、われわれの通商チームに電話し、テーブルに戻ろうと言ってきた」と発言。また、対米通商交渉を担当する中国の劉鶴副首相の「われわれは冷静な態度で協議や協力を推し進め、問題を解決する用意がある」とのコメントを歓迎し、中国は合意を切望していると指摘した。

FRANCE-G7-SUMMIT

トランプ大統領(26日、ビアリッツで)

Photographer: Bertrand Guay/AFP via Getty Images

  しかし、米中貿易戦争が不確実性を引き起こしているとの見方をはねつけ、一段と激しさを増す米中貿易戦争で強硬姿勢を緩める構えは示さなかった。

  トランプ大統領は記者団に対し、「これが私の交渉の仕方だ。長年、私はこれで非常にうまくやってきた。そして米国にとってさらにうまく行っている」と発言。中国との取引を主張する人たちは自分のような「度胸」と「知恵」を欠いていると指摘した。

  市場はトランプ大統領の発した前向きのシグナルに飛び付いたものの、むしろ2年余りの間、対立が深まるばかりでほとんど前進しないやり方に固執する大統領の姿勢に着目する必要がありそうだ。

  米国の夏の終わりを告げる9月2日のレーバーデーが近づく中、米中貿易戦争の平和的解決の見通しは5月27日のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)時点よりもはるかに小さくなったように見受けられ、現在も小さくなる一方だ。

  米戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家、ジュード・ブランシェット氏は「何らかの形で持続可能な合意に至る可能性は1週間前の段階で既にかなり低くなっていた。現在、合意のための政治的余地は極めて小さい」と指摘した。

  米中貿易協議の状況に通じている関係者によれば、協議はこの数週間ほとんど進んでおらず、トランプ大統領が前進と見なすものも実際の状況というより大統領の気分にすぎない可能性があるという。また、米政府も明確な今後のプランを持っていない様子だと関係者は語った。

Trump pronouncements add to stock market's reaction to trade developments

原題:Trump Shifts Tone on China But Not Tactics as Deal Grows Distant(抜粋)

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