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トランプ氏、イラン大統領との会談に前向き姿勢示唆-実現には難題も

  • イランは「非常に大きな潜在力」秘めた国-トランプ大統領
  • 米国とイランの大統領の会談は40年余りにわたり実施されず

トランプ米大統領は26日、米国の対イラン政策を劇的に変化させることも辞さない姿勢を示唆した。イランのロウハニ大統領との会談や、同国が石油資産を一部活用して信用枠にアクセスできるよう規制を緩和する可能性にも言及した。

  フランスのビアリッツで開催された主要7カ国(G7)首脳会議閉幕に当たってのトランプ氏の発言は、同氏による初の北朝鮮への働き掛けを想起させる。これはその後、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3回の首脳会談につながったが、画期的な合意には至っていない。ただ、イランとの首脳会談に向かう動きは、北朝鮮との会談よりもはるかに大きな政治的緊張をはらむ。

  帰国に先立ち記者会見したトランプ大統領は、ロウハニ大統領と「適切な状況下」であれば会談し、米国が離脱した2015年核合意を巡る行き詰まりについて議論すると述べた。トランプ氏は詳細には触れず、合意を目指す場合に直面する政治的リスクも認めなかった。

Iran's President Hassan Rouhani News Conference

イランのロウハニ大統領

  トランプ氏は「イランは非常に大きな潜在力を秘めた国だ。われわれは指導者交代を求めていないし、そうした変化を望んではいない」とコメント。「イランは素晴らしい国になることができると私は本当に信じている。私はその実現を望んでいるが、彼らが核兵器を持つことはできない」と語った。

  トランプ大統領とロウハニ大統領の直接交渉は、米朝首脳会談よりもはるかに複雑になる。北朝鮮の金委員長とは異なり、ロウハニ大統領は国内で複雑な政治情勢に直面している。イラン国民は米国の制裁で失速する経済に失望しており、対米関係を巡って政府高官の意見が割れることも多い。

  ロウハニ大統領は、トランプ大統領と関わることに前向きな姿勢をこれまで示していない最高指導者ハメネイ師から交渉開始の承認を得る必要がある。ポンペオ国務長官を含めトランプ大統領の側近らは、長期的な合意をまとめるにはロウハニ大統領やザリフ外相ではなくハメネイ師が米国の要求に対処する必要があると主張している。

  エネルギーと中東問題の専門家、米国防大学のポール・サリバン教授は、北朝鮮は「イランのような複雑な官僚制度や対立グループが存在する国家ではなく、まさに全体主義の国だ」と指摘する。

  もう一つの違いは、北朝鮮が既に核兵器を保有しており、それが対米交渉上の強みとなっているが、イランはこれまでのところこうした切り札を欠いている。

政治的リスク

  トランプ大統領が合意をまとめるにも相当の政治的ハードルを克服する必要がある。イランの孤立化と弱体化は米共和党議員や保守派の国家安全保障専門家が一致する外交政策課題の1つで、イスラエル支持の保守系ユダヤ人やトランプ氏の有力支持者らも声高に訴えている。

  関係改善への動きは米議会のほか、サウジアラビアやイスラエルといった米国の重要な同盟国からも強硬な反対意見が出そうだ。トランプ氏は大統領就任後初の外遊先としてサウジを訪問し、同国を頼りにイランの孤立化を図ってきた。

  トランプ氏がイランとの交渉の席に着くことになれば画期的な出来事となる。1978年のイスラム革命とそれに続くイランの米国大使館人質事件以来、40年余りにわたり米大統領とイランの首脳の会談は実施されていない。

原題:Trump Floats Rouhani Meeting in Echo of His North Korea Outreach(抜粋)

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