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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の民間企業向け与信拡大策、行き詰まる-流動性危機リスクも

  • 習主席は昨年10月に民間企業への「揺るぎない支援」を表明
  • スタンダードチャータードの中小企業与信指数は3月をピークに低下
Pedestrians walk past a construction crane in downtown Beijing.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の習近平国家主席が支持する民間企業への与信拡大の取り組みが行き詰まりをみせている。複数の民間調査やリポートで明らかになったもので、景気減速を巡る懸念が増す可能性がある。

  スタンダードチャータード銀行の調査によると、中小企業景況感指数で与信動向を示すサブ指数が3月に1年4カ月ぶりの高水準を付けた後、4月に大きく低下。今では習主席が民間企業への「揺るぎない支援」を表明した昨年10月の水準も下回っている。

  調査会社ギャブカル・ドラゴノミクスは、政府の追加措置がなければ民間企業は「新たな流動性危機に向かう」ことになるかもしれないと指摘する。

  中国が対米貿易戦争や、9兆ドル(約960兆円)規模のシャドーバンキング(影の銀行)システムを中心に金融リスクを抑制する取り組みを進める中、習主席は低迷する景気を下支えするためより効率的な民間企業への与信強化策を支持。だが、政府が企業の資金調達コストを年内1ポイント引き下げる目標を掲げた後でも借り入れコストは高止まりしており、新たな成長エンジンをふかそうとしている中国当局にとっては大きなつまずきだ。

Falling index shows it's getting harder to get credit

  ギャブカルのアナリスト、トーマス・ガトリー氏は21日のリポートで、「中国当局はシャドーバンキング規制を緩めるか、銀行が民間企業への貸し出しを進めるより効果的なインセンティブを示す必要がある」と分析。「現時点でいずれの選択肢も検討されていないようで、民間セクターを巡る新たな流動性危機が訪れる可能性は高まっている」と記した。

  チャイナ・ベージュ・ブック(CBB)インターナショナルのチーフエコノミスト、デレク・シザーズ氏は中国が国有企業への与信と民間企業への貸し出し拡大、経済のレバレッジ削減に取り組もうとしており、トリレンマに陥っていると明かす。「この3つ全てに対応することは不可能で、国有企業の支援は習主席の下では外すことができない」と指摘した。

原題:China Campaign to Funnel More Credit to Private Companies Stalls(抜粋)

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