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7月米利下げ理由は「保険、リスク管理、インフレ率の目標回帰」

  • FOMC議事要旨に箇条書きで3つ列挙-9月追加利下げの論拠に
  • 9月追加緩和の市場見通し、金融当局が追認へ-スタンリー氏

米金融当局者は先月の利下げ決定について、貿易戦争に伴う逆風や低インフレに対する保険と認識していたことが最新の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で示された。そして、来月の会合に向け、こうした利下げ理由は一段と強まっているものと見受けられる。

  連邦準備制度理事会(FRB)が21日公表した7月30、31両日のFOMC議事要旨は0.25ポイント利下げの理由を列挙。米経済は今のところ良好だとしつつも、見通しへのリスクを浮き彫りにした。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

記者会見したパウエル議長(7月31日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  投資家は9月17、18両日の次回FOMCでの追加利下げを100%織り込むとともに、年内にさらなる緩和を見込んでいる。パウエルFRB議長は23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演する予定で、そこで重要なヒントが示される可能性がある。

Fed officials worry policy uncertainty could deepen investment slump

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は顧客向けリポートで、「9月追加緩和の市場見通しを金融当局が追認する形となるのはほぼ確実だ」と記した。

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  FOMC議事要旨では、7月利下げの論拠が3つの箇条書きで明記された。金融当局の説明とその後の情勢は次の通り。

  金融当局はまず、7月31日の利下げ決定は企業投資のさらなる鈍化に対する保険であると指摘。通商面の不確実性を背景とした製造業の世界的な不振がこうした鈍化の一因だとした。トランプ大統領はその翌日、中国に対する新たな追加関税賦課の方針を表明し、対中貿易戦争をエスカレートさせた。それ以降も極めて不透明な状況が続き、投資判断を一段とまひさせる恐れがある。

  第2の根拠はリスク管理だ。この文言は経済に対するさまざまな下振れの脅威を包含する。当局者は特に米国以外の国や地域の中央銀行について、景気悪化の場合でも利下げの「政策余地が限られている」点に言及した。今月発表されたドイツの4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)速報値はマイナス成長となり、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱を巡る懸念も強まっている。

  マクロポリシー・パースペクティブズのパートナー、ローラ・ロスナー氏は「この会合以降、どちらかと言えばリスクは高まった」とし、来月会合では「保険としての予防的利下げへの支持が増えるだろう」との見方を示した。

  3つ目の理由には、インフレ率を当局目標の2%に回帰させる狙いが挙げられた。7月の米消費者物価指数(CPI)はコア指数で前年同月比2.2%上昇となったが、FOMC参加者にとって一段と大きな心配は、低インフレの持続で長期的なインフレ期待が2%を下回る水準にとどまっていることだ。

  議事要旨はインフレ低迷が続いた場合として、「大半の参加者は長期のインフレ期待について、既に2%の目標を下回ったか、この目標に合致する水準を割り込む可能性があると判断した」と記した。

  7月末の会合後、世界的な経済見通しの悪化を受けてドルが上昇。輸入物価を押し下げることでインフレにさらなる下降圧力が加わっている。

  コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は顧客向けリポートで、「下振れリスクの高まりによって、これまで追加利下げに気乗りしなかったFOMC参加者の少なくとも一部は、恐らく3週間前よりやや好意的になっているのではないか」とし、「そうであるとしたら、来月の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)はあってしかるべきだ」と論じた。

原題:Fed’s Three Reasons for Cutting in July Support Another Move(抜粋)

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