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香港デモ、封じ込めに部隊派遣はまだ早い-中国は多くの武器残す

  • 香港政界への影響力や国家ぐるみの宣伝工作
  • 香港の警察と政府を支持する「統一戦線」-デモ反対で重要な役割
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香港のデモを抑え込もうと、中国が部隊を投入するとの懸念がささやかれている。だが中国には数々の武器があり、部隊を派遣する必要が生じるのはその後だ。

  反政府的な旅客機客室乗務員の入境禁止や「愛国心の強い」市民に街頭でデモ参加者と対決するよう呼び掛けることまで、中国当局は香港のデモに対してすでに幅広い戦術を繰り出してきた。香港立法会(議会)では親中派が強固な勢力を築き、全ての主要人事に拒否権を持つなど、中国当局が香港政界を大きく動かす力を保持していることは言うまでもない。

  中国が行使できる手段には以下のようなものがある。

1.政治的影響力

  中国政府当局者は香港には「高度な自治」が保障されていると繰り返し唱えているものの、デモ参加者の急進的な一部が中央政府の香港出先機関建物や当局のシンボルなどを襲撃するに至り、より直接的な影響力行使に動き始めた。中国国務院の香港・マカオ事務弁公室はデモに関するブリーフィングを3回も開いたほか、香港の代表者らを深圳での非公開会合に呼びつけた。出席者によると政府当局者は妥協を求める声をはねつけた。

Tens of Thousands March in Hong Kong Anti-Government Protest

香港のデモで汚された中国の国章

Photographer: Justin Chin/Bloomberg

2.本土に依存する企業

  政治的な不満がある際に経済力を活用するのは中国の常とう手段で、韓国やノルウェー、カナダなどはそれを思い知らされている。貿易の40%余りを本土経由で行っている香港は、中国当局がこの手段に訴えた場合にとりわけ影響を受けやすい。先週には中国当局が「違法なデモ」に参加した航空乗務員の入境を禁止し、キャセイパシフィック航空のルパート・ホッグ最高経営責任者(CEO)は辞任に追い込まれた。

  一方、香港一の富豪である李嘉誠氏ら地元の有力者は傍観をやめ、暴力を伴うデモを慎むことを求める声明を発表したり広告を打ったりしている。アリババ・グループ・ホールディングの淘宝(タオバオ)など中国の電子商取引サイトで雨傘やマスク、ヘルメットなどデモ参加者が利用しそうな品物を香港宛てで買おうとしても、購入できなくなっている。

Hong Kong Groups Continue Protest of Extradition Bill With March

雨傘を差す香港のデモ参加者

Bloomberg

3.国家ぐるみの宣伝工作

  中国当局に部隊を展開する意思がなくても、巨大な国営メディアが不安をまき散らす。中国メディアはすでに、香港のデモに似た状況で訓練する軍や暴動鎮圧部隊の写真やニュースを流している。デモが米国や英国など外国の「黒い手」による産物だという政府の主張は広く行き渡り、中央による直接的な介入の地ならしに寄与している。

  さらに警察署に火炎瓶が投げ付けられたり、中国の国章が汚されたりといったデモの行き過ぎた部分が強調され、デモ参加者を1989年の北京でも民主化運動弾圧「天安門事件」を正当化するために使われた用語である「テロリスト」や「暴徒」と呼ぶ報道も頻繁にある。

4.統一戦線

  中国共産党は1997年の香港返還よりもずっと前から、経済団体や労働組合、自治会、体制派政党の一部などに親中派のネットワークを張り巡らせてきた。この「統一戦線」が、香港の警察と政府を支持する反デモ隊を組織する上で重要な役割を果たしている。

AUSTRALIA-HONG KONG-CHINA-POLITICS

デモ反対を唱え行進する親中派ら(17日、シドニーで)

Bloomberg

原題:How China Is Trying to Quell Hong Kong’s Protests Without Troops(抜粋)

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