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Photographer: Akio Kon/Bloomberg
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国債全年限でマイナス金利化の足音、世界的なプラス利回り争奪激化で

  • 世界のマイナス利回りの債券残高は17兆ドルに迫る
  • 20年債利回り今月にもマイナス突入の可能性-野村証
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stand in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 16, 2019. The BOJ would offer support for a government spending package likely to be unveiled in October when a national sales tax is increased, according to a former central bank official.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

主要国の金利低下を背景にした内外投資家によるプラス利回りの争奪戦が激化し、日本の超長期国債に及んできている。新発20年債利回りが今月にもゼロ%を割り込むとの観測が浮上しているほか、全年限の国債がマイナス圏に沈むとの見方も出ている。

  日本国債は残存期間16年強までの利回りがマイナスとなり、最も期間の長い40年物は今月半ばに0.175%と約3年ぶり水準まで下げている。一方、ユーロ圏で最も信用力が高いドイツの30年物利回りはマイナス0.311%と過去最低を更新した。世界のマイナス利回りの債券残高は時価総額で1年前の倍以上に膨らみ、17兆ドルに迫る状況だ。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、世界の金利は「マイナス地獄」に陥ってしまったと指摘。「投資家は30年債も40年債もプラス金利のうちに買ってしまおうとしているが、ドイツのように全ての年限がマイナスになる可能性もある」と読む。超長期債の価格変動リスクは大きいものの、世界的な景気懸念や低インフレ率、主要国の金融緩和観測を背景に買いが入る状況が続いている。

日米独仏の30年債利回り推移

  日本の新発20年債利回りは2016年7月に瞬間的ながらマイナス0.005%を付けた。当時の長期金利はマイナス0.3%付近まで下げ、プラス利回りが得られる運用先を求めて買いが殺到したためだ。足元では長期金利はマイナス幅を広げている。ユーロ圏ではドイツの10年物が5月以降、フランスは7月以降、マイナス圏に沈んでいる。30年物の米国債は2.05%程度だが、同国以外の投資家にとって為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じるとゼロ%をやや下回る。

  野村証券の中島武信シニア金利ストラテジストは、為替ヘッジ後でプラスの利回りを確保できる外債の市場規模は限られるため、消去法的にせよ超長期の日本国債を買わざるを得ないと指摘。20年債利回りは月内か来月に一時的にでもマイナスを付ける可能性が高いとみている。

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海外勢も投資拡大

  海外投資家は日本の超長期債投資を拡大している。日本証券業協会の統計によれば、海外勢の超長期国債買い越し額は7月に4847億円と14年11月以来の大きさで、国内の生命保険会社や信託銀行などを上回った。

  主な外貨を保有する投資家は通貨スワップ市場で円と交換すると、両通貨の需給差などを反映して一定の上乗せ金利を得られる。ブルームバーグによれば、ドルを元手に日本国債の20年物に投資すれば、利回りは残存期間が同じ米国債より約60ベーシスポイント(bp、bp=0.01%)高い2.4%超。ユーロが元手なら0.51%程度と、ドイツ国債を約90bp上回る計算だ。

  野村証の中島氏は、30年物米債利回りが足元2.0%程度で推移する中で、日本国債の30年物をドルをベースに換算した利回りが2.7%程度であることを踏まえると、日本の超長期債に海外の年金基金、生命保険会社、ファンドの需要が集まるのは自然だろうと指摘した。 

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