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「ヒルズの未来形」が虎ノ門・麻布台エリアに-森ビル最大規模

更新日時
  • 広場など緑地を確保した上で超高層タワーを融合、従来とは逆の手法
  • 規模は六本木ヒルズに匹敵、インターナショナルスクールなども建設

森ビルが東京港区で約30年をかけて取り組んできた「虎ノ門・麻布台プロジェクト」が始動する。同社の都市再生事業の中でも最大規模で、オフィスや住宅、文化施設などを組み合わせた「ヒルズの未来形」。既存のヒルズと連携し新たな文化・経済圏を誕生させる。

  森ビルが22日発表した資料によると、アークヒルズに隣接し、六本木ヒルズ虎ノ門ヒルズの中間に位置するエリアで2023年3月末の完成を目指すのは、緑に包まれた広場のような街。都心部にもかかわらず自然豊かな環境に、オフィスやホテル、住宅のほか、インターナショナルスクール、商業施設などを建設する。

Mori Building Company - Toranomon Azabudai Project

虎ノ門・麻布台プロジェクトのイメージ画像

Source: DBOX for Mori Building Co.

  森ビルの辻慎吾社長は同日の記者説明会で、「世界の都市間競争に東京が勝ち抜くためには国際水準のオフィスや住宅などがまだまだ必要」と説明。世界中からヒト・モノ・カネを集めてくる磁力となるような街が必要で、こういった大規模再開発が行われることによって都市の総合力が高まると話した。

  同プロジェクトの特徴は、従来型の建物中心の建築計画とは逆の手法を採用している点だ。まず人の集まる広場を街の中心に配置し緑地を確保した上で3棟の超高層タワーを建設し、足元に緑豊かなスペースを生み出す。緑化面積は約6000平方メートルの中央広場を含め、東京ドームの約半分に相当する約2.4ヘクタールに上る。

  総事業費は約5800億円で、今月5日に着工。区域面積は約8.1ヘクタールに及ぶ。総延べ床面積は約86万400平方メートルで、メインタワーの高さは約330メートルと、完成時点で日本一の高層ビルとなる。

  オフィス総貸室面積は約21万3900平方メートルで就業者数は約2万人、住宅は約1400戸で居住者数は約3500人を想定しており、六本木ヒルズの開業時をそれぞれ上回る。

Mori Building Company - Toranomon Azabudai Project

着工前のプロジェクト建設地(7月6日撮影)

Source: Mori Building Co.

  

  辻社長はオフィス部分のリーシング(賃貸)見通しについて、東京のマーケットは非常に大きく、このプロジェクトで供給されるオフィスは環境一体型という強みもあるため、「大変厳しい状況に追い込まれるとは全く思っていない」とし、いろいろな選択肢を提供することで十分に競争力があると考えていると述べた。

  同プロジェクトを含む虎ノ門・赤坂・六本木エリアは外資系企業や大使館、外国人居住者が多く国際的だが、計画地は東西に細長く高低差の大きい地形で、木造住宅やビルが密集し老朽化も進んでいる。このため、道路や公園などのインフラや防災面の整備も進める。1989年に「街づくり協議会」を設立し、約300人の権利者と議論をしながら計画を推進してきた。

  正式名称は、「ヒルズ」と名付ける可能性も含め開業が近づいてから決定する予定。

  野村証券の福島大輔アナリストは同プロジェクトについて、「オフィスビルだけではなく住宅や教育施設、文化施設も兼ね備えた複合的な街づくりを目指しており、都市としてのにぎわいが見込める」と指摘。オフィスビルだけを建設するわけではないので、「オフィスビルの市況に悪影響を及ぼす懸念はそれほど大きくないだろう」との見方を示した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、パトリック・ウォン氏は「オフィス市場は非常に好調で、空室は減少している。問題は賃料が引き続き上昇し得るかどうかだ」と述べた。

(記者説明会の内容などを追加し更新します.)
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