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Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
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ボルカー・ルール改定が最終決定、トランプ政権とウォール街の勝利

  • ルール緩和、トランプ氏が指名した監督当局者にとって最大の目標
  • トレーディング活況の再来ならず、新たなリスクもたらすとの声も
Pedestrians walk near the New York Stock Exchange.
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

ウォール街の監督当局は銀行の投機的投資を制限した「ボルカー・ルール」を緩和するルール改定を承認した。トランプ米大統領に指名された当局者らは、当初からの優先課題を果たした格好。

  今回の改定は禁止取引に関する情報を明瞭化し、違反を恐れずに取引を銀行に促すことを目指している。通貨監督庁(OCC)と連邦預金保険公社(FDIC)は20日、これを承認した。

  ボルカー・ルール改定はウォール街、特にゴールドマン・サックス・グループにとって大きな勝利となる。ゴールドマンは長年、同規則の緩和を求めて積極的なロビー活動を展開してきた。しかし、今回の変更がトレーディング黄金時代の再来につながるとはみられていない。自己勘定取引の禁止はそのままで変わらず。プライベートエクイティ(PE、未公開株)やヘッジファンドへの投資でも、銀行は依然制限を受ける。

  ボルカー・ルールは2008年に起きた金融危機の反省として、設定された。金融メルトダウン前に、一部銀行のトレーディングデスクがリスクの高い取引に自己勘定を使い、ヘッジファンドのように行動していたとの懸念に対応したもの。ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長はそのような取引について、銀行を破綻に追い込み、経済全体を脅かしかねないと指摘した。同ルールは2010年に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)に盛り込まれた。

  銀行は施行直後から、ルールは極めて複雑で順守が難しいと不満を表明。それぞれの監督当局では、トランプ大統領に指名された責任者がこの規則を簡素化する強い意志を持って就任した。「ボルカー2.0」として知られる今回の改定は、トランプ政権が公約した規制緩和の一環。ルールがまったくの骨抜きにされたわけではないものの、総合すると今回の変更により金融システムに新たなリスクがもたらされるとの批判も出ている。

  改定は2020年1月1日付で発効するが、銀行は順守までにさらに1年間の猶予を与えられる。

原題:Volcker Rule Trading Revamp Approved in Win for Wall Street (1)(抜粋)

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