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パウエル議長、9月に追加利下げ支持か-世界的鈍化への保険として

  • このところの一連の経済指標、当局の底堅い経済成長予想を裏付けも
  • 「リスク管理の観点からは、9月利下げが求められる」-スイート氏
パウエル議長

パウエル議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
パウエル議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

このところの一連の米経済指標発表は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が予想する底堅い経済成長とインフレ加速を支えるものとなっている。しかしエコノミストは、米金融当局が来月、世界的な景気鈍化に対する保険として追加利下げに踏み切るとの見方を堅持している。

  15日に発表された7月の米小売売上高は4カ月ぶりの高い伸びとなり、米中貿易戦争の新たな激化を前に個人消費が持ちこたえていたことが示された。7月の製造業生産は落ち込んだものの、ニューヨーク、フィラデルフィア両地区連銀の8月の製造業景況指数は予想を上回った。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

記者会見したパウエル議長(7月31日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  ムーディーズ・アナリティクスの金融政策調査担当責任者、ライアン・スイート氏は「通商政策や世界経済鈍化の下振れリスクを踏まえると、慎重なリスク管理の観点からは9月利下げが求められる」とし、「今後発表されるデータによって、当局者が9月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げするのか、25bp利下げするのかは左右される。現時点のデータに基づけば25bpだろう」と語った。

  パウエル議長は23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演する予定で、その際に自身の見解についてヒントを示す可能性がある。FRBが15日に更新した公務スケジュールによれば、議長講演の題目は「金融政策の課題」とされる。

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場の動向に基づくと、投資家は9月17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25ポイント利下げを100%織り込んでいる。FOMCは先月、約10年半ぶりに利下げした。パウエル議長はこの動きについて、長期にわたる一連の利下げの始まりではなく、「サイクル半ばでの政策調整」だと説明した。

U.S. economic reports have been better since June

  米国債利回り曲線(イールドカーブ)のうち、2年債と10年債の部分が14日に逆イールドとなったことで、リセッション(景気減速)懸念が裏付けられた。こうした長短逆転は過去にリセッションの早期警報となってきた。15日に逆イールドは解消されたものの、2年債利回りに対する10年債利回りのスプレッドは極めて小幅で非常に平たんな状態が続いている。

  ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は「米金融当局は国内情勢だけを心配していればよいというわけにはいかない。過去30年にわたるグローバル化を経て、当局は世界情勢にも目配りしなければならない。世界経済や金融市場の健全性についてそれなりの懸念材料がある」と話した。

U.S. yield curve inverts for first time since the financial crisis

原題:Powell Expected to Seek Another Fed Cut Despite Strong Spending(抜粋)

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