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米国債、10年物利回り1%がレーダー内に-過去の標準打ち破る

  • 米国債市場の「日本化」、現実味を増すリスクも
  • 米10年債利回り、過去最低の1.318%を大きく下回りかねない

ウォール街では今、債券利回りがどこまで下がるのかという疑問が沸いているようだ。

  過去の標準と照らし合わせれば、10年物米国債利回りが1%というのはもちろん、ありそうもないことだ。しかしバンク・オブ・アメリカ(BofA)の ブルーノ・ブレイジンハ氏にとって、現状は明らかに標準的ではない。

  同氏の統計モデルによれば、現在の経済状況で米10年債の「適正」利回りはむしろ2.5%に近い。しかしトランプ米大統領が仕掛けた中国との貿易戦争や、世界的な成長見通しの悪化、国外のマイナス金利は米国債の需要を高める。規模16兆ドル(約1685兆円)の米国債市場が本格的に「日本化」に入れば、利回りは過去最低の1.318%を大きく下回りかねない。

How Low Can Yields Go?

"Fair value" in the Treasury market is in the eye of the beholder

Source: BofA

Data points show how far the 10-year yield is from "fair value." One standard deviation equals 36.5 basis points.

  「市場はファンダメンタルズの著しい悪化を織り込んでいる」と、BofAで米金利戦略を担当するブレイジンハ氏は指摘。 「これにより、米金融緩和のさまざまなシナリオが見えてくる」が、いずれも10年債利回りの一段の低下につながるという。 12日の米国債市場で10年債利回りは1.65%で終了した。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月末に、2008年以来初めての利下げに踏み切り、バランスシートの段階的縮小を前倒しで終了すると発表した。ブレイジンハ氏によれば、市場は「従来型」の緩和サイクルを想定し、2020年末または21年序盤までに米政策金利がゼロまで引き下げられるとトレーダーらは予想している。その場合、10年債利回りは1.2-1.5%になるという。

  同氏のモデルによれば、8月9日の時点で既に利回りは「適正」水準から乖離(かいり)が2標準偏差を超えていた。現在は金融危機以来見られなかった極端なバリュエーションレベルに近づいているという。

Bond yields keep tumbling as investors pile into Treasuries

  長期にわたる低成長と低インフレが極端に緩和的な金融政策と組み合わされる、日本式となれば、米国債利回りの一部がマイナス圏に突入する可能性はある。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバル経済顧問、 ヨアヒム・フェルズ氏は先週のブログ投稿でこの可能性に言及。欧州と日本にマイナス利回り債券があふれる中で、米国債市場にもマイナス利回りが出現する可能性を考えるのはもはや「不条理」ではないとコメントした。

  BofAのブレイジンハ氏は「米政策金利がゼロになり、インフレは回復せずインフレ期待が低下し続けるシナリオは、あり得ないものではない」と述べた。

原題:U.S. Treasuries Shatter Historical Norms With 1% Yield in Reach(抜粋)

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