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Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

26兆円超の世界最大ETF、命運握るのは普通の若者11人の健康

  • 運用期限は11人の寿命と結び付けられている
  • 11人のうち8人は投資の歴史における自らの役割を知らなかった
The New York Stock Exchange (NYSE) is reflected in a mirrored-sign in New York, U.S., on Monday, Jan. 8, 2018. U.S. stocks were mixed, with the S&P 500 Index on track for its first decline of the year, as investors assessed the prospects for corporate earnings, while the dollar strengthened after three straight weekly declines.
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

世界最大の上場投資信託(ETF)「SPDR・S&P500ETFトラスト」の命運は、20代の若者11人の健康にかかっている。

  「SPY」として知られる規模2500億ドル(約26兆4000億円)超の同ETFは、組成の際に使われた独特な法的枠組みのため、運用期限が1990年5月から93年1月の間に生まれた普通の若者11人の寿命と結び付けられることになった。

  これらの若者は現在、ボストンやフィラデルフィア、アラバマ州やユタ州など全米各地に在住し、広報や飲食業、セールスなどでキャリアを切り開いている。ただ、ブルームバーグ・ニュースが取材した8人は誰も、投資の歴史における自らの役割を知らなかった。

  「これについて聞いたのはきょうが初めてだ」とアレクサンダー・モストさん(27)は話す。モストさんは教育や政策、マネジメントを研究するために近く大学院に進学する。同ETFが「終了し得る時期を予想するに当たって、自分の死について考えさせられたかと聞かれれば、それは間違いない」と述べた。

  すべては1993年に米国初のETFであるSPYを組成するために使用された難解な仕組みにさかのぼる。当時は同ETFをユニット・インベストメント・トラスト(UIT)として設立することで現実的な問題が解決された。UITは定着した法的枠組みであるだけではなく、発行体が会社の株式に似たユニットを組成することが可能となったためだ。ただしその結果、運用期限の設定が義務付けられた。多くのUITと同様、SPYは当初は25年後(2018年1月)が期限となるよう組成されていたが、後に11人の寿命に連動するように修正されたことで期限が延長された。

  現在のSPYは2118年1月22日か、「11人の中で最後まで生き残った人の死亡」から20年後のいずれか早い時期に期限を迎える。

Designated Survivor

SPY's total assets have grown to over $200 billion

Source: Bloomberg

  SPYの文書に記載されている11人のうち少なくとも8人は、アメリカン証券取引所(AMEX)の関係者の家族や親類だ。SPYを組成したAMEXは、08年にニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するNYSEユーロネクストに買収された。

  大学院に進学するアレクサンダー・モストさんは、SPYの考案者の1人であるネイサン・モスト氏の孫だ。ステート・ストリートはSPY終了への対応計画に関するコメントの要請に対し、NYSEに問い合わせるよう求めた。NYSEはコメントを控えた。

原題:Meet the ‘SPY 11’ Kids With $250 Billion Riding on Their Lives(抜粋)

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