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ダイヤモンドの世界に君臨するエリートクラブに亀裂か

  • かつてはデビアスのバイヤーに選ばれることが成功に不可欠
  • ダイヤモンドは供給過多で需要不十分、近々改善見込めずとの見方も

それは世界で最も閉鎖的なクラブの1つで、ダイヤモンド原石供給で最大手のデビアスが作り上げた「シンジケート」、「中央販売機構(CSO)」、「ダイヤモンド貿易会社(DTC)」として長年知られてきた。

  デビアスは、1世紀余りにわたってダイヤモンド原石の大部分を選ばれた一握りの顧客に販売してきた。そのリストは不透明な宝石業界の名士録のようだ。ティファニーグラフ・ダイヤモンズシグネット・ジュエラーズはいずれもこのグループ内に自社の傘下部門を持つことで、ダイヤの安定供給を確保している。

  ダイヤモンドを取引する世界で成功を収め、金を稼ぐにはこのデビアスの選ばれしバイヤーになることが必要不可欠と見なされているが、現在の状況はそれほど単純ではない。

  デビアスはボツワナの首都ハボローネで毎年10回開催される展示会でダイヤを販売しており、その際「サイトホルダー」と呼ばれるバイヤーは、提示された量・価格を受け入れる必要がある。1890年代に始まったそのシステムは、生産者と顧客の双方に利益をもたらすことを狙ったもので、顧客はダイヤを割安水準で入手できる。

A Diamond’s Journey From Mine to Retail

Diamond traders are being squeezed due to tight margins

Note: Data is for 2017 and applies to entire diamond industry. Retail margin applies to large retailers who own approximately 35% of the market.

Sources: Bain & Co., De Beers and Bloomberg data

  ところが、そのディスカウント幅が縮小しつつある。事情に詳しい複数の関係者によれば、逆に提示される価格が実勢取引レートを上回り、サイトホルダーが売却の際に損失を余儀なくされるケースもあり、かつては非常にもうかるビジネスだったが、今では利益が出にくくなっている。

De Beers Hoovers Up Its Best Diamonds From the African Seabed

ナミビアでのダイヤモンド原石の選別作業

写真家:Simon Dawson / Bloomberg

  グラフやティファニーといった小売業者にとってダイヤモンドの取引・加工は事業全体のごく一部で、影響はそれほどないが、多くのダイヤ専門業者では問題への対処がより困難になっている。数社は既に事業から撤退し、かつてダイヤモンド原石の大手バイヤーの一角だったユーロスター・ダイヤモンドは今年に入り破綻した。デビアス自体もサイトホルダーの数をここ10年間に減らしてきている。

  顧客が苦戦する中、デビアスもまた財務面で苦境にある。親会社のアングロ・アメリカンは1-6月(上期)にダイヤモンド事業の利益が30%近く減少。上期の売上高はここ3年間の同期間と比べ5億ドル(約530億円)以上少ない。

  ポリッシュトプライシズ・ドット・コムのデータによると、ダイヤモンド原石の価格は今年に入り約6%下落。研磨後の価格は約1%下げている。

  ベレンベルクの金属・鉱業アナリスト、リチャード・ハッチ氏は「最悪の状況だ。供給が多過ぎる一方、需要は十分でない」と指摘。「そうした状況がすぐに改善するとは思えない」と述べた。

原題:The Elite Club That Rules the Diamond World Is Showing Cracks(抜粋)

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