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クオンツファンドが7兆円の米株売りも、高ボラティリティー続けば

  • 相場に強気のストラテジスト、ドイツ銀のチャダ氏が警告
  • クオンツファンドは今年最大の買い手、個人やヘッジファンドは慎重

市場のボラティリティー急上昇は今年最大の株式の買い手を売り手に変えるリスクがあると、株式に強気のストラテジストが懸念している。つまりコンピューターを利用してモメンタムとボラティリティーのシグナルに基づいて売買するクオンツトレーダーたちだ。

  ドイツ銀行のチーフグローバルストラテジスト、ビンキー・チャダ氏によれば、ボラティリティーが高い状態が続くと、こうしたトレーダーが今後数週間に700億ドル(約7兆4700億円)超の株式を売る可能性がある。同氏の年末のS&P500種株価指数目標はブルームバーグの調査に答えたストラテジストらの中で最も高い。

Deutsche Bank Securities Inc. Chief Global Strategist Binky Chadha Interview

ビンキー・チャダ氏

写真家:クリストファー・グッドニー/ブルームバーグ

  チャダ氏は5日に米国株が売られる前にこの警告を発していたが、先週は2019年に入り最悪の下げで、シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数(VIX)は18年序盤以来で最も大幅に上昇していた。クオンツファンドは年初からの安定した株価上昇に安心して買ってきたが、突然のボラティリティー上昇で売りに転じる可能性がある。ドイツ銀のモデルによると、このグループの投資家の株式エクスポージャーは7月末時点で過去10年での最も高い水準並みだった。

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  クオンツ投資家のエクスポージャーは「既に歴史的レンジの最上部分にあり、従ってリスクは非対称だ」とチャダ氏は5日の米国株取引開始前のリポートに記述した。「これまでの例を見ると、過去3営業日のようなS&P500種の日中の幅広い動きの後は、持続的なボラティリティー上昇が起こっており、これはファンドによるシステマティックな株式エクスポージャー縮小につながる」という。

  これは市場にとって悪いニュースだ。個人投資家やロングショート戦略のヘッジファンドなど、クオンツファンド以外の誰もがこれまで、株式相場上昇にもかかわらず買いに消極的だった。クオンツ投資家と他の投資家のポジションの隔たりは、ドイツ銀によれば中国が人民元を事実上切り下げた2015年以来の大きさだという。

  ノムラのクロスアセットストラテジスト、チャーリー・マケリゴット氏も、クオンツファンドの動向が株式相場下落のきっかけになると考えている。S&P500種が2830に下落すると一部ファンドが売りに転じ、2714を下回れば「最大限のショート」ポジションの引き金になると試算している。5日の同指数は2844.74で終了した。

Deutsche Bank, Nomura assessing downside risk for stocks

原題:Wall Street’s Top Equity Bull Warns Over Quant-Driven Selling(抜粋)

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