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Photographer: Justin Chin/Bloomberg
Cojp

香港の混乱収拾、習国家主席に限られた有効な選択肢

  • 治安回復のため人民解放軍を出動させれば国際的な反発招く恐れ
  • 民主化求めるデモ参加者に甘い対応なら党の権力掌握脅かされる

香港が終わりの見えない混乱に揺れる中、中国の習近平国家主席に残された事態打開への選択肢はどれも良いものではない。

  民主化を求めるデモ参加者に甘い対応を取れば、混乱の広がり次第で政変も可能であることを本土の反体制派に示すことになりかねず、共産党の権力掌握が脅かされる。一方、治安回復のため人民解放軍を出動させれば国際的な反発を招く恐れがあり、成功する保証もないまま香港経済に取り返しのつかない打撃を与える可能性もある。

Hong Kong Goes on Strike After Weekend Protests

香港の北角(ノースポイント)を行進するデモ参加者(8月5日)

Photographer: Paul Yeung/Bloomberg

  このため、「逃亡犯条例」改正案への反対を目的に6月から始まった香港の抗議デモは終わりが見えない。

  香港中文大学の政治学者、アイバン・チョイ氏は「中国がどのアプローチにするか決めたかは分からない」と説明。習指導部は香港の主な住民らに案を提示するよう求め、時間を稼ごうとする可能性もあると話す。「中央政府は重要事項の1つとして社会秩序をまず回復させたいと考えており、それから政策の一部調整を検討することになる」と同氏はコメントした。

  香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が事情に詳しい当局者を引用して報じたところによると、中国国務院の香港・マカオ事務弁公室は6日に記者会見し新たな発表を行う。詳細は明らかにしなかった。

  米戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当シニアアドバイザー、ボニー・グレイザー氏は「北京の忍耐は限界に近づいているかもしれない」と分析。「中国は林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に多数のデモ参加者を逮捕するよう圧力をかける可能性がある。治安回復のため人民解放軍を投入するかどうかを議論しているのは間違いない」と語る。

  だが、混乱収束に向けて軍を出動させれば容易に逆効果となり得る。

  英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のシニアコンサルティングフェロー、ティム・サマーズ氏は「国際的な関心だけでなく、より厳しい対応を取れば状況がさらに悪くなるとの計算もあり、中国の態度はこれまで比較的控えめだ」と述べた。

原題:China’s Xi Has Few Good Options to End the Chaos in Hong Kong(抜粋)

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