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Photographer: SeongJoon Cho

中国の資本流出懸念が再燃も、人民元の持続的下落なら

  • 中国のドル借り手、元安で借り入れコストの上昇リスクに直面
  • 大幅な元安は不安定化を招きかねないと当局は懸念-UBSの汪涛氏
Chinese one-hundred yuan banknotes run through a counting machine at the Counterfeit Notes Response Center of KEB Hana Bank in Seoul, South Korea, on Monday, Dec. 21, 2015. The offshore yuan climbed the most in a week on optimism that China's leaders are focusing on boosting growth in the world's second-largest economy.
Photographer: SeongJoon Cho

中国人民元が2015年以来最大の下げを演じたのを受け、資本流出懸念が再燃する恐れが出てきた。中国は当時、外貨準備高から1兆ドル(約106兆円)を投じて対応した。

  規制の厳格化や海外への資金移動の精査強化で成功したと受け止められたにもかかわらず、あの時期のトラウマが人民元の持続的下落を避けたい大きな理由になりそうだ。金融面で考慮すべき要素でもっと重要なのは中国のドル建て債務残高だろう。ブルームバーグの集計データによると、15年末以来2倍強の7298億ドルに増加。今年これまでのドル建て債発行額は過去最高の1380億ドルに達した。

The People's Bank of China as Central Bank Tweaks Liquidity Tap Again

中国人民銀行

Photographer: Giulia Marchi/Bloomberg

  中国金融市場で20年の経験を持ち、2010年に「レッド・キャピタリズム(原題)」を共著したフレイザー・ハウイー氏は「資本逃避は依然として大きな懸念事項だ」と述べ、「彼らは愚かなことをするつもりはない」と付け加えた。

China lets yuan sink past 7 for first time since 2008

  実際、中国人民銀行は5日に元急落について、米国による中国製品への新たな関税方針に対する市場の反応だと指摘。その上で、短期的な投機と戦い、市場予想の安定化を図るとし、元が1ドル=7元よりも元高水準に戻る可能性があるとの認識を示した。また、人民銀の易網総裁は同日、中国が元を貿易戦争における手段として利用することはないと言明した。

  人民元相場の下落を受け、米財務省は5日、中国を為替操作国に認定したと発表した。

  自国経済とドルの関係希薄化に積極的なロシアとは異なり、中国は依然としてドルとの結びつきが強い。元安局面に歯止めがかからなければ、中国企業の借り換えが難しくなり、企業や個人に資金を秘密裏に国外に移動させる動機を与えかねない。

  UBSグループの中国担当チーフエコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は5日のリポートで、「人民銀が為替レート予想を厳しく管理し、元が大幅に下落するのを防ぐとわれわれは引き続き予想している」とコメント。「大幅下落で貿易戦争の影響が完全に相殺されるとは考えられない。さらに重要なのは、大幅な元安が不安定化を招く恐れがあると当局が懸念していることだ」と述べた。

原題:Fears of China Capital Flight Hang Over a Newly Sliding Yuan (1)(抜粋)

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