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外国人への接客も「不安なし」、音声翻訳機市場が熱い-五輪追い風

  • ソースネクストの「ポケトーク」は販売好調、株価2倍超に上昇
  • 東京五輪控え外国人観光客増加、商店や飲食店は対応に追われる

多くの外国人観光客が訪れる東京・台東区のディスカウントストア、多慶屋で働く藤田威彦さんは、音声翻訳機が手放せない。

  藤田さんは、アプリケーションや辞書、オンライン翻訳サービスの代わりに、手のひらサイズのソースネクスト製「ポケトーク」を使っている。74言語に対応し、スウェーデンやベトナムなどからの観光客とやり取りしてきた。価格は2万4880円(税別)から。

Translation Device 'Pocketalk' In Demand For Growing Inbound Tourists

ベトナムからの観光客を接客する藤田さん

  日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人客数は約3119万人と、6年前と比較して3倍に増加し、商店や飲食店は外国人観光客への対応に追われている。来年の東京五輪・パラリンピック期間中は状況はさらに厳しくなりそうだ。需要の拡大に応えるため、富士通キングジムも音声翻訳機の市場に参入しており、シェア94%を占めるポケトークに対抗している。

  「不安がなくなった」。藤田さんは外国人客と会話する際、以前はグーグル翻訳に頼っていたが、今は首からぶら下げたポケトークを活用する。「外国人でどんな言語を話すか分からないお客さまに対しても接客ができるようになった」と話す。
 
  翻訳機としては依然スマートフォンのアプリの人気が高いが、ポケトークはニッチ市場を開拓。目的を絞り、高性能のマイクを装備、グーグルや百度の機械翻訳を組み合わせ精度を高めている。2017年12月の発売以降、50万台以上が販売された。

日本を訪れる外国人は年々増加

対応必要な言語も多様に

出所:日本政府観光局

  ポケトークの販売好調を追い風にソースネクストの株価は上昇。同製品の発表時と比較して2倍超となっている。19年3月期の売上高は55%増加し約147億円。一方、市場シェアを守るため広告宣伝費や販売促進費などを増やしたことから営業利益は31%減少して8億5900万円となった。

  富士通は「アローズハロー」を5月に発売。オープン価格で、ポケトークと同様の形状だが、カメラを搭載し文章翻訳にも対応している。

  キングジムは7月19日に、向かい合って話しながら使用できる2台1組の法人向け対話型翻訳機「ワールドスピーク」を14万8000円(税別)で発売した。

  BCN総研の森英二チーフアナリストは、インバウンドが増え政府も「観光立国」を掲げる中、小売業界も商機を逃したくないと考えていると指摘。「法人向け翻訳機は引き続き伸びていく市場」との見方を示した。

原題:What Did You Say? Tourists Fuel Pocket Translator Boom in Japan(抜粋)

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