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中国の銀行、38兆円の資本不足-中小銀に警鐘のUBSアナリスト

  • 「ディストレス」状態の資産は9兆2000億元-GDPの10%近く
  • ベッドフォード氏は包商銀や錦州銀の問題で早くから警鐘鳴らす
A pedestrian passes in front of a Baoshang Bank Co. branch in Beijing.
A pedestrian passes in front of a Baoshang Bank Co. branch in Beijing. Photographer: Giulia Marchi/Bloomberg
A pedestrian passes in front of a Baoshang Bank Co. branch in Beijing.
Photographer: Giulia Marchi/Bloomberg

UBSグループのアナリスト、ジェーソン・ベッドフォード氏は250行近い中国の銀行が公表する財務諸表を細かく読み込む世界で唯一の人物かもしれない。

  これまでに何度も繰り返してきた各行の財務諸表の精査を終え、ベッドフォード氏が導き出した結論は中国の銀行業界は資本増強が必要ということだ。しかも巨額の資本が求められている。

  中国の中小銀行を巡る問題にいち早く警告を発していたベッドフォード氏(40)は、自らがカバーする中国の銀行が計2兆4000億元(約38兆円)相当の資本不足に陥る可能性があると分析。同氏の試算によると、より幅広い国内銀の「ディストレス」資産は9兆2000億元と、市中銀行システムの約4%、国内総生産(GDP)の10%近くに上る。

  中国当局による積極的な取り組みによって金融業界の健全性が数年前に比べて高まっているとベッドフォード氏は指摘しながらも、市場の動揺を招かずに問題を抱える銀行の是正をいかに進めるかと当局が思案する中、同氏は今後も難路が続くと見込んでいる。

Troubled Lenders

UBS says China banks with 9.2 trillion yuan of assets are in a state of distress

Source: UBS

  5月に起きた包商銀行の公的管理入りで、規模が小さめの銀行に潜むリスクを巡り、世界の投資家の懸念が強まっている。一部の債権者が損失を迫られ、中国の金融安定を長期にわたり支えてきた暗黙の保証に疑念が生じている。

  今週には遼寧省を本拠とする錦州銀行が中国工商銀行を含むコンソーシアムに救済され、同セクターの混乱収拾に向けて国内最大級の銀行が貢献を求められるとの懸念が一部の株主に広がった。

  包商銀や錦州銀の問題が市場に広く認識されるかなり前から警鐘を鳴らしていたベッドフォード氏の深く掘り下げたリポートは、中国の銀行システムがどこに向かっているのかを知る手掛かりとして世界の投資家にとって必読となっている。

  中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)にファクスでコメントを求めたが、今のところ返答はない。

原題:UBS Analyst Who Predicted China Bank Woes Sees $349 Billion Hole(抜粋)

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