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野村4-6月の純利益は11倍の558億円、6四半期ぶり増益

更新日時
  • 足を引っ張っていたビジネスがなくなり、構造改革の成果が出始める
  • 行政処分の影響はまったくなかったとは言えない-北村CFO
Nomura Securities Branches As CEO Nagai Faces Shareholders After Call for His Ouster
Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg
Nomura Securities Branches As CEO Nagai Faces Shareholders After Call for His Ouster
Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

国内証券最大手の野村ホールディングスが31日発表した2019年4ー6月(第1四半期)連結決算によると、純利益は前年同期比11倍の558億円となった。前年同期に苦戦したトレーディング事業の利益が改善した。四半期ベースでは17年10-12月以来となる6四半期ぶりの増益となった。

  同日会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は「足を引っ張っていたビジネスがなくなったというのが大きい」と述べ、「構造改革への取り組みが成果として表れ出したという手ごたえを感じている」と決算内容を評価した。

  同社は4月、海外トレーディング部門など低成長・低収益ビジネスの縮小や欧州事業を見直すことなどを柱とした構造改革を発表。22年3月期までに全社で1400億円のコスト削減目標に対して、7月末現在で5割程度まで進捗(しんちょく)しているという。

  19年4-6月のホールセール部門の税引き前損益は200億円の黒字(前年同期は74億円の赤字)だった。米州でのフィクスト・インカムが大幅増収だったほか、同州のエクイティ業務も健闘した。アセット・マネジメント部門も前年同期比76%増の181億円と増益だった。一方、国内リテール事業を担う営業部門は同59%減の81億円と落ち込んだ。

  海外拠点の損益は、米州が143億円の黒字(同17億円の赤字)、欧州が45億円の黒字(同52億円の赤字)、アジア・オセアニアが116億円の黒字(同8億円の赤字)だった。海外合計の損益は304億円の黒字(同77億円の赤字)と6四半期ぶりの黒字に転換した。

  北村CFOは、市場環境は引き続き厳しいとしながらも「1-3月を底に業績モメンタムが回復した」との認識を示した。

Nomura Securities Branches As CEO Nagai Faces Shareholders After Call for His Ouster

都内の野村証券支店

  野村HDは5月、情報を不適切な方法で漏えいしたとして金融庁から業務改善命令を受けた。行政処分以降、社債市場では野村証券を主幹事から外す動きが相次いだ。4月に月次トップだった社債引き受けランキングは、5月、6月と2カ月連続で5位以下に沈んだ。

  行政処分の影響について北村CFOは「業績に対する影響がまったくなかったとは言えない」と説明。その上で「債券引き受け業務で一部影響が出たが、どこまでが本事案の影響か定量的に示すのは非常に困難」と述べた。

第1四半期の主な収益(前年同期との比較)
  • 収益合計は19%増の5114億円
    • 委託・投信募集手数料は14%減の682億円
    • 投資銀行業務手数料は14%増の273億円
    • アセットマネジメント業務手数料は4.8%減の600億円
    • トレーディング損益は57%増の1128億円

  一方、大和証券グループ本社が31日開示した第1四半期の連結純利益は前年同期比13%減の161億円となった。米中貿易摩擦で株式市場に様子見ムードが広がった影響で、リテール部門が苦戦したことなどが原因。佐藤英二CFOは「厳しいマーケット環境が継続し、残念ながら業績を大きく回復させることはできなかった」と述べた。

(第5、9段落に海外部門の業績と大和証Gの決算を追加します.)
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