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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

3割が今会合でフォワードガイダンス再延長を予想-日銀サーベイ

  • 年内緩和の予想5割、手段は大半が指針延長や長期金利の変動幅拡大
  • 米0.25%利下げ織り込み済み、一段の追加緩和示唆なら円高リスクも
Pedestrians walk past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Monday, July 8, 2019. Governor Haruhiko Kuroda said extremely low interest rates will be kept in place until at least around next spring while the bank will keep an eye on risks for price momentum.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行は29、30両日開く金融政策決定会合で、政策金利のフォワードガイダンス(指針)を延長するとの予想がブルームバーグのエコノミスト調査で3割に達した。

  エコノミスト47人を対象に18-23日に実施した調査で、14人(30%)が今会合でのフォワードガイダンスの再延長を予想。9月、10月に再延長するとの見方を加えると7割に達した。日銀は昨年7月にフォワードガイダンスを導入し、4月に「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」と明確化したばかり。

  31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ観測が強まっている。米欧の中央銀行が緩和方向にかじを切る中、日本は副作用への懸念からマイナス金利の深掘り(短期政策金利引き下げ)は容易ではなく、動いても緩和継続の延長にとどまるとみられている。ただ、今会合で追加緩和を予想したのは9人で、フォワードガイダンス延長を追加緩和と捉えていない向きもいる。

  次の政策変更は追加緩和との見方は77%と前回調査(62%)から増加。年内の追加緩和予想も53%と前回(36%)から増えた。年内の追加緩和手段として想定されているのはフォワードガイダンス延長や長期金利の変動幅拡大が多く、マイナス金利深掘りは3人にとどまった。将来にわたって深掘りはないとの見方は全体の81%を占めた。

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  三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は「米国の利下げがほぼ確実視される中、日銀が何も手を打たなければ政策の行き詰まりを見透かされて円高が進むリスクがあるため、実体経済への影響は皆無でも、フォワードガイダンス強化で追加緩和を実施したとの実績作りに踏み切る」と予想する。

  一方、シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「0.25%利下げが完全に織り込まれているにもかかわらず円相場は比較的安定しており、今会合での再延長を思いとどまらせる」と指摘。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストも、0.25%利下げは織り込み済みで、「日銀が残り少ない緩和カードを切る必要性は乏しい」とみる。

  布野幸利審議委員は3日、広島市内で会見し、FOMCは「さほど大きなサプライズはないのではないか」と言明。その上で、今会合は「米国の金融政策について今申し上げたような想定を置いた上で臨みたい」と言明。フォワードガイダンス修正も「現時点では必要ない」と述べた。

金融政策は円相場次第

  今会合では金利の引き下げを含む大きな政策変更はないとの見方でエコノミストは一致している。農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「日銀は『年後半の世界経済回復シナリオ』を維持した上で、下振れリスクをこれまで以上に強調する」とみるが、「物価の基調は依然底堅いとの評価は据え置きで、現状維持の決定となるだろう」と予想する。

  日銀の金融政策は引き続き為替相場に左右されるとの見方が強い。ブルームバーグ調査で、米国が利下げに踏み切った場合、ドル・円相場は何円まで円高が進むか、日銀は何円で追加緩和に踏み切るか聞いたところ、中央値はそれぞれ1ドル=106円、100円だった。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの増島雄樹主席エコノミストは、米利下げが0.25%にとどまり、かつ「利下げ打ち止めが示唆されたら、むしろ円安にやや戻す可能性もある」一方で、0.5%以上の追加利下げが示唆されれば「為替への影響は大きく、1ドル=100円割れをうかがう展開となれば日銀は追加緩和に踏み切る可能性が高い」とみる。

  岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミストも「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見で今後のさらなる利下げを強く示唆した場合、思いのほか円高に振れるリスクもある」とした上で、米国が利下げをするかどうかではなく「パウエル議長の記者会見の内容がポイント」とみている。

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