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ECB、夏休み明けまで待てるこれだけの理由-米の出方も待つ

更新日時
  • 利下げ余地がより少ないことを考えれば待つ価値があるかもしれない
  • 25日の中銀預金金利引き下げは現時点で約30%の確率を織り込む

欧州中央銀行(ECB)の政策担当者には、追加的な金融刺激策発表のタイミングを9月まで待つ多くの理由が存在する。

  今週のECB政策委員会を控えて、政策委のメンバーらは、低迷するユーロ圏の景気浮揚に必要であれば、追加的な下支え策を講じる用意があると発言した。

  ドラギ総裁は25日の政策委終了後に政策変更のパッケージをすぐにも提示し、積極的に手を打つ印象を与えたいという気になるかもしれない。短期金融市場では、中銀預金金利(現行マイナス0.4%)の10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げについて、現時点で約30%の確率が織り込まれている。

  エコノミストの多くは、ECBが利下げを示唆する政策の表現修正をまず行い、次の9月の政策委で利下げを実行するとともに資産購入の再開を約束すると考えている。夏休み明けまで待つ根拠となる論点を挙げてみたい。

FOMCを待つ

  米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週の会合で積極的な動きや緩和サイクルを開始するシグナルを発して市場を驚かせれば、ユーロ相場が上昇し、ユーロ圏のインフレに下押し圧力がかかるほか、輸出を鈍らせ景気の勢いを一段とそぐことになりかねない。特にECBの利下げ余地がより少ないことを考えれば、米金融当局の出方を待つ価値があるかもしれない。

経済指標

  4-6月の域内総生産(GDP)や最新のインフレ統計などユーロ圏経済の状況を示す主要指標の発表は、ECB政策委員会会合の後に予定されている。最近の統計はまちまちな内容なだけに、製造業が主導する域内経済の減速がどれだけ続きそうかを示す追加的な情報は、政策を調整する上で有用だろう。

新たな経済予測

  ECBは主要な政策変更を経済予測の発表に合わせて行う傾向がある。新たな経済予測が金融緩和の追加や縮小の根拠になるからだ。次回の経済予測発表は9月に予定されている。

市場期待

  政策担当者は市場の期待に迎合することはないと言明しているが、完全に無視するのも難しい。投資家が10bpの利下げを完全に織り込んでいるのは9月以降でしかなく、早めに動けば経済状態が現在認識されているよりも悪いとのシグナルを送ることになりかねない。ECB当局者の一部は前月の会合ですでに市場参加者は悲観的過ぎると指摘しており、過度に否定的な見方を示すことは避けたいと考えるだろう。

複雑なパッケージ

  ECBが発表しそうな金融緩和策は、実行手順の慎重な検討が求められるだろう。中銀預金金利のさらなる引き下げには、一部銀行の超過準備への適用を免除するメカニズムが必要になると多くのアナリストが主張し、いわゆる「階層化」の実施には多くのさまざまな方法が考えられる。ECBのさらなる債券購入を可能にする自主規定の微調整も必要になろう。

Cutting Time

Economists and investors foresee an ECB rate cut in September

Source: survey of economists conducted July 12-17, Bloomberg

原題:ECB Has Five Reasons to Postpone Stimulus Decision to September(抜粋)
ECB Has Five Reasons to Delay Stimulus Decision to September (1)

(待つ理由について、3項目追加.)
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