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ドラギ総裁に銀行が熱い視線-追加利下げなら少しは痛みを和らげて

  • マイナス金利深掘りの場合、銀行貸し出しへの悪影響防ぐ措置必要
  • 最も一般的な案は「階層化」、ECBによる銀行債購入の案も

欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利をさらに引き下げるなら、そこから生ずる痛みをドラギ総裁がどうやって和らげてくれるのか。銀行は息を詰めて見守っている。

  ドラギ総裁は、追加利下げをするならば銀行の収益性を大きく損なうことで銀行貸し出しに悪影響が出ないための措置が必要かもしれないと発言している。超過準備に課されるマイナス金利を預金者には転嫁できないと銀行はかねて苦境を訴えている。

ECB President Draghi and IMF Managing Director Lagarde at Bank Governors Conference

ドラギ総裁

Photographer: Andreas Arnold/Bloomberg

  マイナス金利の銀行業績への影響は、24日発表のドイツ銀行決算に表れているかもしれない。マイナス金利を導入している5中銀の中で、何らかの影響緩和措置も取っていないのはECBだけだ。19カ国から成るユーロ圏で公平なシステムを作るのは容易ではない。超過準備の3分の2はドイツ、フランス、オランダの銀行のもので、イタリアとスペインはわずか10%だ。

  当局者らが政策委員会で協議しなければならないのは以下のような点だ。

Below Zero

The ECB is one of five central banks with negative rates

どうやって?

  銀行の負担緩和の方法として最も一般的な案は「階層化」と呼ばれ、一部の超過準備をマイナス金利の対象から除外したり、金利に段階を付けたりする案だ。スイス国立銀行は法定準備預金額の20倍相当までマイナス金利を免除している。

どこまで?

  ユーロ圏の銀行は現在、1兆7000億ユーロ(約206兆円)余りの超過準備を毎晩ECBに滞留させている。マイナス0.4%の中銀預金金利での年間負担は70億ユーロ余り。クーレECB理事はこの金額は取るに足りないと指摘するが、預金金利が深掘りされれば銀行の負担は増す。

  ラボバンクのアナリストらは、ECBが今後1年の間に預金金利をマイナス0.8%まで引き下げる可能性が高いとみており、この負担を相殺するために約8000億ユーロの超過準備をマイナス金利対象から除外すべきだと論じている。

逆効果も?

  免除の幅が広くなれば、預金額の大きい銀行が大きな恩恵を受ける。超過準備額が大きいのは主に北部諸国で経済も強い。こうした国が不当に支援を受けているという批判を招く恐れがある。また、マイナス金利が免除されれば、資金を中銀に滞留させず融資に回すことを銀行に迫る圧力が減る可能性もある。

他の方法は?

  ドラギ総裁の言うマイナス金利の影響「緩和」の方法は階層化だけではない。アクサのチーフエコノミスト、ジル・モエック氏はECBが銀行債を購入すれば銀行の資金調達コストが下がり、マイナス金利深掘りの負担を相殺できると指摘している。

European banks are paying for excess reserves

原題:ECB Rate-Cut Plan Puts Worried Banks on Lookout for Sweeteners(抜粋)

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