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ゴールドマンが手掛けた高リスクの資金調達、民間調査会社が精査

  • 異例の構造で債券12億ドル発行、HSBCは取引を降りていた
  • 2年後に債券急落、投資家は民間会社にゴールドマンの役割調査委託

ゴールドマン・サックス・グループが無名の証券会社2社と組んで手掛けた資金調達は、他とは違っていた。通常にはない構造のディールで、疑惑がつきまとうドイツ人投資家ラース・ビントホルスト氏も関わっていた。

  この取引では2015年と16年に債券計12億ドル(現行レートで約1300億円)が発行され、調達資金の大半はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに本社を置くエティハド航空と関連がある複数の航空会社にローンの形で移された。

Etihad Airways Airbus A380

エティハド航空のエアバス「A380」

Photographer: NurPhoto/NurPhoto

  エティハドは世界的な航空会社に脱皮するため世界各地で小規模な航空会社に出資したが、ドイツのエア・ベルリンなど一部は赤字を続け、資金面でてこ入れする必要があった。ビントホルスト氏はかつてエア・ベルリンの筆頭株主だった。この資金調達を手掛けたバンカーらはその後間もなく、独特な仕組みが創造的だとして賞を受けた。

  しかし2年後、債券急落で取引は台無しになる。エア・ベルリン、アリタリア、ジェットエアウェイズなどエティハド傘下航空会社が次々と破綻し、エティハドも戦略を変更しこれら航空会社への支援を打ち切ったことが背景にある。

EA Partners bunds plunged as creditors fret over Etihad support to affiliates

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  いまや債権者集団はこの取引による損失を回収しようと、民間の調査会社を起用するというあまり見られない手段に訴えている。事情を知る複数の関係者によれば、ビントホルスト氏とエティハド、資金調達を直接担った各企業が演じた役割など、取引がまとまった詳細を掘り下げて調べることが調査会社に委託されている。

  債券を発行したのはエティハドと関連のある特別目的事業体(SPV)のEAパートナーズ。ビントホルスト氏の投資事業とつながりのある証券会社と、アブダビの専門特化型証券会社も発行に携わった。

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ラース・ビントホルスト氏

Photographer: Tristar Media/Getty Images Europe

  焦点の1つは、なぜゴールドマンが非従来型ないし高リスクと言える大型の資金調達に参画したのかだ。事情に詳しい関係者によると、HSBCホールディングスはこの取引から降り、その空白を埋めることにゴールドマンは合意した。この規模の資金調達は、世界的な金融機関の助けなしでは完了できなかっただろうという。

  ビントホルスト氏とゴールドマンの報道担当者はコメントを控えた。エティハドの広報担当者は「うわさや臆測」にはコメントしないと回答した。HSBCとアブダビの証券会社の担当者はコメントを控えている。

原題:A Busted Goldman Bond Deal Is Investigated by Private Detectives(抜粋)

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