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アスクル社長、ヤフーへの売り渡し請求権行使は総会前に判断

更新日時
  • 業務・資本提携関係の見直しについての協議は不要とヤフー
  • 株主総会は8月2日、社長の再任は現状では否決の公算

筆頭株主のヤフーから退陣要求を突きつけられたアスクルの岩田彰一郎社長(68)は18日の記者会見で、ヤフーが持つ株式の売り渡し請求権について、行使するかどうか8月2日の株主総会前に判断すると述べた。

  ヤフーとの資本提携解消を模索する岩田社長は「話し合いをもって解決できないか努力してみたい」とも話したが、解決しない場合は「裁判になって長期化も考えられる」と述べた。売り渡し請求権は一定の条件で行使が可能。

  「ヤフーがステークホルダーや少数株主の利益を無視していること、これが問題」とも批判。アスクルはヤフーが求めた日用品のインターネット通販サービス「LOHACO(ロハコ)」の譲渡を拒否したことを挙げ、今回の問題は「支配株主による成長事業の乗っ取りだという意識を持っている」と述べた。

  退陣要求については「重く真摯(しんし)に受け止めている」とした上で、「正々堂々と今起きていることを伝えることが私の責務」と話した。

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ヤフーは社長退陣を求めている

  一方、ヤフーは会見後の発表で「アスクルの株式を譲渡する予定はない」と改めて主張。岩田社長が求める「業務・資本提携関係の見直しについての協議は不要」とし、岩田社長の退陣後は「上場企業としての独立性が重要との考えから、新経営陣とアスクルの意向を尊重する」と表明した。

  新社長については「当社から派遣するつもりはない」とした上で、取締役兼
COOの吉田仁氏または吉岡晃氏が就任すると考えている、との見解を示した。岩田社長が、ヤフーが今回の措置を取った一因として挙げたロハコ事業譲渡についても「アスクルの下で運営していくことが最良」とし、「今後も譲渡を申し入れる方針はない」と明言した。 

  業績の早期回復や経営体制の若返りを求めるヤフー(株式の45.1%を保有)の退陣要求に第2位株主のPLUS(プラス、11.6%)も賛同。現状では株主総会で岩田社長の取締役再任は否決される公算だ。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の津坂徹郎アナリストは17日付のリポートで、「ヤフーの行動が業務・資本提携の精神に反すると言い切れるか、最終的には話し合いか裁判で決する」とし、「決着には相当の時間を要するだろう」と指摘した。

  アスクルは1993年にオフィス用品の通販サービス会社として創業し、2012年にヤフーと資本提携した。従来はヤフーやその関係会社のソフトバンクグループなどからの独立性は確保されており、事業活動や経営判断に制約はないと説明していた。

これまでの経緯

2019年1月15日
 ヤフーがロハコ事業譲渡の可否、譲渡可能な場合の条件検討を依頼
2月26日
 アスクルの独立役員会と取締役会でヤフーの依頼を検討、譲渡は行わない方針を決議
5月8日
 アスクルの指名・報酬委員会で次期取締役候補者を決議
6月27日
 ヤフーの川辺社長が来社し、岩田社長の退陣を要求
7月12日
 アスクルがヤフーに提携関係解消について協議開始を申し入れ
7月17日
 ヤフーが定時株主総会で岩田社長の再任に反対する議決権行使の方針を公表
(ヤフーの見解を追記しました)
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