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Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

アスクル社長は退任の公算、ヤフーと2位株主が退陣要求-きょう会見

更新日時
  • 「勝負あった、独自候補の動議も」-M&A助言カチタスが分析
  • ヤフーに対し売り渡し請求権がある-アスクル執行役員
Yahoo Japan's application.
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

筆頭株主のヤフーから退陣要求を突きつけられたアスクルの岩田彰一郎社長(68)。これに反発し、7年に及んだ資本業務提携の解消協議を申し入れたが、第2位の大株主もヤフーに賛同したことで、自身の取締役再任は否決される公算となった。

  会社法では、出席株主の持つ議決権の過半数で役員を解任できる。ヤフーによるアスクルの持ち株比率は45.1%、文具・事務用品メーカーで2位株主のPLUS(プラス)は11.6%保有し、両社の合計は5割を超す。定時株主総会は8月2日に開催される予定だ。

Son Has a Plan for Yahoo Japan. It Begins With D: Shuli Ren

アスクル社長の交代を求めたヤフーとソフトバンクグループの孫社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ヤフーは17日、岩田社長の取締役再任に反対すると表明。低迷する業績の早期回復や中長期的な企業価値の向上、経営体制の若返りなどの観点から抜本的な変革が必要と判断したという。他の取締役候補者への議決権行使については、慎重に検討していくとしている。アスクルが求める提携関係見直しの協議申し入れに対しても、不要との考えを伝えた。

  プラスの藤原純子広報担当は電話取材で、ここ数年の業績の低迷などからヤフーと同様、反対票を投じると述べた。

  一方、アスクルの土屋郁子執行役員は両社の資本提携に関し、ヤフーはアスクル株を買い増しできない契約になっていると説明。株式公開買い付け(TOB)に発展する可能性はないという。一定の条件を満たせば、アスクルはヤフーに対し売り渡し請求権が行使できることも明らかにした。岩田社長は18日午後1時半から会見する。

  アスクルは1993年にオフィス用品の通販サービス会社として創業。2012年にヤフーと資本提携し、一般消費者向けに日用品のインターネット通販サービス「LOHACO(ロハコ)」を立ち上げた。発表資料によると、ロハコ事業の19年5月期は92億円の損失で、18年5月期も76億円、17年5月期も46億円の損失だった。

ロハコ事業

  M&A助言会社のカチタスの平井宏治社長は、プラスがヤフーに賛同したことで「勝負はあった」と分析。今後の展開についてはヤフーが株主総会で動議を提出した上で、独自の取締役候補を推薦し、可決することもあるとの見方を示した。

  アスクルの発表によると、今年1月にヤフーからロハコ事業の譲渡の可否や条件について検討するよう要請があり、独立委員会と取締役会の審議を経てヤフーへの譲渡の提案は行わないことを決め、回答した。ヤフーの川辺健太郎社長は6月に岩田社長の退陣を要求した。

  アスクルはこれまで、ヤフーやその関係会社のソフトバンクグループなどから事業活動や経営判断に制約はなく、独立性は確保されていると説明してきたが、この半年でヤフーとの経営思想の違いや「上場企業としての独立性の侵害が顕著になった」ため、提携解消を申し入れたという。

  ヤフーは6月にソフトバンクGが行った再編で、通信事業子会社ソフトバンクの傘下に入った。カチタスの平井社長は、ソフトバンクGとしてはヤフーをアマゾンに対抗させるために、文房具の分野でブランドがあり、法人顧客に販路があるロハコを手に入れたいという戦略だろうと語った。また、「息のかかった経営陣を送り込むことで会社をまるごと買うよりもお金がかからず、効率がいい」と述べた。

これまでの経緯

2019年1月15日
 ヤフーがロハコ事業譲渡の可否、譲渡可能な場合の条件検討を依頼
2月26日
 アスクルの独立役員会と取締役会でヤフーの依頼を検討、譲渡は行わない方針を決議
5月8日
 アスクルの指名・報酬委員会で次期取締役候補者を決議
6月27日
 ヤフーの川辺社長が来社し、岩田社長の退陣を要求
7月12日
 アスクルがヤフーに提携関係解消について協議開始を申し入れ
7月17日
 ヤフーが定時株主総会で岩田社長の再任に反対する議決権行使の方針を公表
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