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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

GPIFは日本株投資を強化か、比率低下で2兆円超の積み増し余地

  • 日銀とともに日本株市場の下支え要因に-しんきんAM
  • ESG関連投資、誰からも文句言われない-BofA
Pedestrians cross a road in Tokyo, Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2019年度、日本株への投資を強化するとの見方が浮上している。株価上昇が海外に出遅れ、運用資産に占める割合が目標値を下回っているためだ。比率を目標に引き上げるだけで2兆4000億円弱の積み増し余地がある。

  GPIF保有の国内株式は18年度末(19年3月末)に年金特別会計の資金も含めた年金積立金全体に占める割合が23.55%と、目標値の25%を下回り16年度末以来の低さとなった。外国債券・株式も合わせたリスク性資産3分野の中で唯一、基本ポートフォリオで定められた目標値に届いていない。

GPIF President Norihiro Takahashi Reports Investment Results

GPIFの高橋則広理事長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  JPモルガン証券の山脇貴史債券調査部長は、GPIFの昨年度の重点配分先は外国債券だったが、「今後は構成比が目標値を下回っている日本株が有力」だとみている。モルガン・スタンレーMUFG証券の株式統括本部でエグゼクティブ・ディレクターを務める岩尾洋平氏の推計によると、日本株比率は6月末に約23%と3月末よりさらに低下したもようだ。

  GPIFの公表資料に基づくブルームバーグの試算によれば、年金積立金の規模が変わらないと仮定すると、日本株の構成比を目標値まで引き上げるだけでも2兆4000億円弱の積み増しが必要だ。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、GPIFはリバランスで国内株に資金を配分すると予想。日本銀行とともに「日本株市場の下支え要因になる」とみている。

ESG関連投資が有力視

  バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジストも、GPIFの今後の投資先として日本株を予想した上で、TOPIXなど総合型のパッシブ運用ではなく環境・社会・企業統治(ESG)関連などが有力だとみる。「長期的なリスク管理に役立ちながら収益性も維持すれば、誰からも文句を言われない」と言う。

  運用資産が約4210億ユーロのBNPパリバ・アセットマネジメントによると、日本のサステナブル投資の残高は昨年に約2.1兆ドル(約227兆円)。欧州の14兆ドルや米国の12兆ドルには及ばないが、16年以降の増加率は300%超と世界で最も高い。アジア太平洋地域のスチュワードシップ責任者を務めるガブリエル・オットー氏は先週の記者説明会で、急成長の一因はGPIFの取り組みだと指摘した。

  GPIFの高橋則広理事長は5日の記者会見で、ESG投資の残高は現在3兆5000億円程度だと説明した。今夏にはESG投資に関する報告書を公表するとしている。国内外で5000社以上の株式を間接的に保有しているため、企業価値を長期的に高めていく「ESGの推進が賢明だ」と説明した。

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