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インスタで若者を取り込め、安倍首相は動画投稿でアピール-参院選

  • ハッシュタグ標語、ユーチューブで野党も対抗-ネット選挙解禁6年
  • 安倍首相のネット戦略は改憲国民投票の実験か-中野上智大教授

参院選(21日投開票)へ向け、各党は街頭演説や政見放送といった従来の手法に加え、ソーシャルメディアなどインターネットを活用した選挙運動も積極的に展開している。2013年の参院選で解禁されてから6年。安倍晋三首相(自民党総裁)が若者に人気の写真共有アプリ「インスタグラム」に毎日の活動を動画で投稿するなど各党はさまざまな手法を駆使して支持層の拡大を図っている。

  岩手県でおいしいお茶をいただき「ほっと」一息-。12日、安倍首相のインスタグラムに「拝啓あべのめし!」と銘打った動画が配信された。岩手県を訪れた際、選挙応援の合間に訪れた販売店で日本茶をすする場面を映している。香川県では飲食店でうどんを完食する場面、大分県では温泉の蒸気で食材を温める「地獄蒸し」体験など各地で撮影した短時間の動画を連日投稿した。

Japan Prime Minister Shinzo Abe Attends Campaign Rally

支持者と言葉を交わす安倍首相(14日・神戸市)

Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

  首相は12年に政権復帰する前からフェイスブックやツイッターなど会員制交流サイト(SNS)での発信を始めていた。インスタグラムへのデビューは「インスタ映え」が新語・流行語大賞を取った17年12月。その後、外遊の機会に各国リーダーとの写真を投稿、トランプ米大統領が5月に来日した際はツーショットの自撮り写真を載せて話題になった。フォロワーも41万人を超え、今回、初めて国政選挙での活用となった。

  朝日新聞が6月に実施した世論調査では、安倍内閣の支持率は全体で45%だったが、29歳以下では52%と他の世代よりも高い。総務省の2018年の調査によるとインスタグラムは20代の52.8パーセントが利用しており、若者向けの発信媒体となる。

  上智大学国際教養学部の中野晃一教授は「欧米では若者はリベラルで権力者に対して批判的とのイメージがあるが、日本では少々違う」と解説する。雇用環境の改善や過去6年以上にわたって政権の座にある安倍首相のイメージもあり、「自民党は若者へのアピールに自信を持ち始めている」と述べた。

  インスタグラムを利用し始めた安倍首相の狙いについては「将来、憲法改正となった時にどのような宣伝運動が有力か。その実験台として今使っているのかもしれない」と分析。国民投票が実施された場合の戦略を探っているのではとの見方を示した。

ハッシュタッグ

  インスタに限らず、SNSで投稿をカテゴライズして不特定多数の人が検索しやすいようにするハッシュタグの活用も目立つ。立憲民主党は参院選で「#令和デモクラシー」とハッシュタグを付けたスローガンを掲げ、ツイッターなどを通じて世論に訴えている。自民党はウェブサイトに「#自民党2019 新世代」と名付けたユーチューブ動画を掲載した。10代の男女がそれぞれ将来への希望を語る中、安倍首相が「未来をつくりたい」とコメントする内容だ。

  このほか、国民民主党も玉木雄一郎代表が以前から「永田町のユーチューバー」を宣言するなど動画を積極配信。公明共産日本維新の会社民の各党もネットを通じた運動を展開中だ。
  
  各党のネットを使った若者向けのアピールも実際の投票行動に結びつくかは不透明だ。総務省の統計によると20代の投票率は過去5回の参院選すべてでどの世代よりも一番低く、30パーセント台で横ばいが続いている。

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