コンテンツにスキップする

引き締め過ぎの可能性認めたパウエル議長、利下げへのシフト裏付けか

  • インフレ高進招かぬ失業率、以前の推計大きく下回る-議会で証言
  • 緩和姿勢への転換、混乱生じさせるとともに独立性に疑問投げ掛け

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の先週の議会証言のうち最大のニュースは、市場を動かしたり見出しを飾ったりしたものではないかもしれない。

  パウエル議長は公聴会で現在の見通しについて発言し、今月末の利下げ観測を強固なものとした。議長は同時に、米経済の変化を過小評価していたがために、過度の金融引き締めがあった可能性を初めて公に認めた。

Fed Chair Powell Testifies Before House Financial Services Committee

下院金融委員会で証言したパウエル議長(7月10日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  議長がこれを認めたことは大きな意味を持つ。米金融当局は景気拡大を持続させるために今月末だけでなく年内にさらに利下げをし、労働市場のスラック(たるみ)の限界を試す可能性があるからだ。

  それは、2018年の一連の利上げを巡って金融当局を批判し、経済実績を掲げて来年の大統領選での再選を目指すトランプ大統領を利することにもなるだろう。

  米ジョージ・メーソン大学マーケイトス・センターのシニアフェロー、デービッド・ベックワース氏は「過去4年間の政策の誤りについてパウエル議長が大きく譲歩したことが最大のニュースだ」とし、「これがこの先に何を意味するのか、新たな体制なのか、さらなる利下げなのかが、現在議論されている」と指摘した。

C-suite confidence in U.S. has faltered for better part of a year

  インフレ高進を招かない失業率は金融当局者の以前の推計を「大幅に」下回るとしたパウエル議長の発言は、金融政策の引き締めが行き過ぎであまりにも急ピッチだったことを示唆する。

  当局者は18年3月の段階で長期的な失業率を4.5%、失業率をこの水準に保つのに必要な金利を3%をやや下回る水準と推計していたが、先月示した最新の推計ではそれぞれ4.2%と2.5%に下方修正された。

  そうではあっても、連邦公開市場委員会(FOMC)が18年の4回の利上げの後に緩和的な姿勢に転じたことで、一部のFRBウオッチャーの間に混乱が生じたほか、トランプ大統領による厳しい批判の下で、金融当局が実際どの程度、政治から独立しているのか疑問を生じさせている。

原題:Powell Concession on Too-Tight Fed Underlines Shift Toward Cuts(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE