コンテンツにスキップする
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国経済の記録的な低成長、今後も続く見通し-対米貿易戦争の中

更新日時
  • 当局がより積極的な刺激策を講じる可能性あるが金融面で懸念も
  • 貿易巡る不透明感、引き続き設備投資や雇用の重しに-モルガンS
Shipping containers sit stacked at the Yangshan Deepwater Port, operated by Shanghai International Port Group Co. (SIPG), in this aerial photograph taken in Shanghai, China, on Friday, May 10, 2019. The U.S. hiked tariffs on more than $200 billion in goods from China on Friday in the most dramatic step yet of President Donald Trump's push to extract trade concessions, deepening a conflict that has roiled financial markets and cast a shadow over the global economy.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

15日発表された中国の4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)成長率は1992年以降の四半期ベースで最も低い伸びにとどまった。6月の小売売上高や工業生産は市場予想を上回ったが、成長は一段と鈍化する見通しだ。

  4-6月のGDP成長率は6.2%へと減速。6月の小売売上高と工業生産、1-6月の固定資産投資の伸びはいずれも予想を上回ったが、中国経済が底入れしたことを示す証拠は乏しい。

  米中が貿易協議の再開で合意する中、エコノミストらは今年のGDPを6.2%増、来年は6.0%増と予想している。中国当局が刺激策でより積極的なスタンスを取れば成長見通しが変わる可能性もあるが、金融面の問題を巡る懸念が残る。

  オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、トミー・ウー氏はリポートで、「中国当局はマクロレバレッジ動向を注視しつつ、政策緩和を通じた国内成長の安定化に焦点を絞るとわれわれは見込んでいる」と記述。「世界貿易の伸び悩みや発動済みの米中の関税が早期に撤廃される公算も小さいことを踏まえると、これは輸出にかかる圧力を穴埋めすることにもつながるだろう」とも指摘した。

投資

  地方政府が予算を膨らませずにインフラ投資ができるように中央政府はバランスシート上の負債として認識されない特別債の発行に軸足を移している。1-6月(上期)に特別債は約1兆1900億元(約18兆7000億円)相当が発行され、前年同期の3610億元を大きく上回った。

  だが、UBSやJPモルガン・チェースのエコノミストらはその70%程度がインフラプロジェクトではなく、土地確保や「棚戸区」の再開発に充てられているとみており、それは乗数効果が小さくなることを意味する。

Money Reserved

Only a small part of special bonds was spent on infrastructure in 1H

Sources: UBS, JP Morgan

小売売上高

  自動車販売が17.2%増となり、6月の小売売上高は前年同月比9.8%増と予想外の伸びとなった。ただ、排ガス基準の厳格化を控えた販売店の旧モデルの値引きなどによるところが大きく、こうした増加ペースが続く公算は小さい。

Big jump in China's auto sales boosted up retail growth in June

輸出

  対米貿易摩擦にもかかわらず、1-6月の輸出はおおむね安定を維持した。輸入は振るわず、4-6月に大きく鈍化した結果、貿易黒字は拡大した。一方でサービス貿易の赤字は縮小。このため、純輸出の1-6月成長率への寄与は20%超と投資の寄与を上回った。

  純輸出による押し上げが7-12月(下期)も見込めるかどうかは不透明だ。米中両国は貿易を巡り再び協議に入ったが、合意に達して新たな追加関税発動を防ぐことができるかは分からない。6月の輸出の伸びは既に失速している。

Stable Trade?

China's trade surplus increases mostly due to sluggish imports

Source: General Administration of Customs

与信と刺激策

  当局による景気下支え策はこれまでのところ雇用や生産の中核を担う民間部門と小規模企業に与信を行き渡らせることに軸足が置かれている。成功している兆しもあるが、政府は緩和的な金融政策が正しく伝わっていないとなお懸念している。

  2兆元規模の減税を含む財政刺激策の効果は徐々に経済へと浸透しつつあるが、消費を盛り上げるには至らず安定化にとどまる公算が大きい。

  ジェニー・チョン、邢自強両氏らモルガン・スタンレーのエコノミストは「20カ国・地域(G20)後の通商政策を巡る不透明感の広がりが引き続きマインド面を通じて民間の設備投資や雇用の重しになるとみられ、7-12月も成長率への下押し圧力が続くだろう」と指摘。今後見込まれる刺激策については「問題が起きてから乗り出す政策対応や持続的な貿易摩擦による影響の広がりを踏まえると、成長の足かせを部分的に和らげるにとどまる可能性がある」と記した。

Past Peak

原題:China’s Weakest Growth on Record Set to Endure Amid Trade War(抜粋)

(第5段落以降を追加し更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE