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ジオマテックが「蛾の目」フィルムの販売強化-スマホ偏重から脱却へ

  • 売上高は4年前の6割に急減、Jディスプとシャープ向けは依然3割
  • 電子掲示板向けなどで既に販売、下期からの収益貢献期待-松崎社長

タッチパネルに欠かせない薄膜技術を強みとするジオマテックは、新開発の高機能フィルムを収益の柱に成長させる方針だ。主要顧客でスマートフォン用液晶パネルを生産するジャパンディスプレイシャープ向けの売上高が全体の3割に偏る収益構造からの脱却を目指す。

  松崎建太郎社長(42)はインタビューで、光を反射しない蛾の目(モスアイ)に似た凹凸構造で、撥水性にも優れた「モスアイフィルム」の販売を強化する意向を示した。その上で、今後は「液晶のような大きい産業にぶら下がることは想定しないマーケティング、営業、技術開発活動をしないといけない」と述べた。

  ジオマテックはスマホ市場の拡大とともに業績を伸ばしたが、需要鈍化や中国パネルメーカーの台頭で収益が悪化。2019年3月期は売上高が63億円とピークだった4年前の6割に落ち込んだ。

Geomatec moth-inspired film

新開発のモスアイフィルムを張ると反射が抑えられる

Source: Geomatec

  モスアイフィルムは昨年開発した。その特性から屋外での使用に強く、既にデジタルサイネージ(電子掲示板)や車載ディスプレー、放送用カメラのメーカーに部品として供給を始めている。販売拡大に向けた新たな取り組みとして、美術館や住宅設備メーカー向けに用途や設置・納入方法を含めた提案も検討しており、松崎社長は下期からの収益貢献を期待する。

  業界紙がモスアイフィルムについて報じた6月14日には、ジオマテックの株価は14%高と急騰した。

ジオマテックの株価推移

  折り曲げ可能な有機ELパネル生産に使われる剥離膜の開発も進めており、20年以降の商品化を目指す。松崎社長は「売り上げ確保のため、試作品や小ロット生産品を集めて案件を増やし、今後の種を拾う」と話した。

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