コンテンツにスキップする

女王陛下の出方次第か、ジョンソン氏の野望妨げ得る王室カード

  • ジョンソン氏、EU離脱強行のために議会休会も辞さない姿勢
  • 議会休会の権限は君主に、君主は首相要請を拒否できる

英与党保守党の次期党首就任を狙うジョンソン前外相は、自身が首相になれば合意なき欧州連合(EU)離脱を押し通すため議会を休会にすることもいとわないと示唆している。これに対して議員の一部は、法廷闘争も視野に身構えている。

  もっと大きな障壁がジョンソン氏の目前に立ちはだかる。女王のエリザベス2世が議会休会に待ったをかける可能性だ。

  英議会を休会にする権限は、首相ではなく君主にある。女王が持つ他の権限と同じく、通常は首相の要請に基づいて行使される。このため一部の専門家は、女王が「首相の助言に従うだろう」との見解を示しているが、全員が同意しているわけではない。

  英シンクタンク、政府政策研究所(IfG)のキャサリン・ハッドン氏は、首相の要請を君主が拒否できるのかは憲法学者の間でも意見が分かれる問題だと指摘。「英国の制度のグレーな部分」だと述べた。

TOPSHOT-BRITAIN-ROYALS-RICS

英女王エリザベス2世

  英王室と政府は互いに、女王が政治的な論争に巻き込まれないよう長らく腐心してきた。政府の内閣執務提要(キャビネット・マニュアル)にも「政府の党派政治に、君主が公に関わるようなことはない」と明記されている。

  メイ現政権のナンバー2に位置付けられているリディントン国務相は、「全ての政党の議員が君主を政治に巻き込まないよう最大限努力するというのは、実に重要な原則だと思う」と議員らに語ったことがある。君主を難しい立場に追い込まないよう、政府顧問らは首相に促す公算が大きいとハッドン氏は述べた。

  首相が構わず議会休会を要請した場合でも、女王には選択肢がある。ロンドン大学憲法研究所のロバート・ヘーゼル、メグ・ラッセルの両氏はブログで、首相が君主に要請をするのは下院の支持を受けていることが憲法上の前提だと指摘し、「議会休会の要請が不信任投票を避けるためであれば、定義上は議会の信任が保証されていないことになる。従って女王は首相に再考や撤回を求めることが合理的に可能だ」と論じた。

原題:Queen Is the Reason Johnson Would Struggle to Suspend Parliament(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE