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GPIFの米国債保有額が5割増、為替リスク取って高金利狙ったか

  • 米国債保有額は初めて10兆円を突破、前年度比約3.7兆円の大幅増
  • 昨年度に初の為替ヘッジ付き米国債投資も5.5%の残高にとどまる
GPIF President Norihiro Takahashi Reports Investment Results
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
GPIF President Norihiro Takahashi Reports Investment Results
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が最も多く保有する外国債券は2018年度も米国債だったが、残高はこれまでの横ばい圏から53%の増加となった。

  GPIFの米国債保有額は3月末時点で10兆6615億円。開示情報でさかのぼれる14年度から17年度までは6兆円台にとどまっていたが、昨年度は金利低下に伴う評価額の上昇と小幅な円安・ドル高による為替差益も含め、1年間で3兆6778億円増えた。生命保険会社などが為替差損の回避措置(ヘッジ)コストが高いドル建て債を敬遠して欧州債に向かう姿とは対照的だ。

  バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、GPIFは為替相場の変動も長期的な分散投資効果の一環とみる年金勢で、円債の代替としてヘッジ外債を買う生保とは立場が異なると指摘。「米10年国債利回りが3%を超えた辺りで為替オープンで買い、その後の金利低下で含み益が生じているはずだ」と推測する。同利回りは昨年10月に3.26%と7年ぶり高水準を付けた後、足元では2%割れまで下げた。 

2018年度末の保有残高が大幅増加

 財務省の統計によると、GPIFも含めた国内勢による米ソブリン債の買い越し額は昨年度1916億円にとどまった。民間の投資家は売り越しだった可能性が高く、GPIFのオープン外債投資は結果的に円高圧力を和らげる役割も果たした格好だ。

  GPIFは昨年度に初めて為替ヘッジ付きの米国債に投資したが、3月末の残高は5882億円と米国債保有額の5.5%にとどまった。ドル建てヘッジコストの高さや欧州金利の低下、米欧の金融政策見通しを踏まえると厳しい環境は変わりそうにない。

  BofAの大崎氏は「初めてのヘッジ外債だが、巨額の運用資産を抱えるGPIFにしては少額」で、まだ「取りあえずやってみただけ」の段階だろうと指摘した。

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