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Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

パウエル議長証言、0.5ポイント利下げも排除せぬハト派の音色か

  • 今月末の利下げに向けた決意にじます-下院金融委での証言で
  • 企業の景気信頼感低下や製造業の減速、インフレ低迷など指摘
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building stands in Washington, D.C., U.S., on Monday, April 8, 2019. The Federal Reserve Board today is considering new rules governing the oversight of foreign banks. Chairman Jerome Powell said the Fed wants foreign lenders treated similarly to U.S. banks.
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

何ものもパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に今月末の利下げをやめさせることはできない様子だ。静観を望む地区連銀総裁や、数十年ぶりの強さを誇る労働市場はおろか、こうした動きに影を落とす政治状況であっても、それは同じだ。

Fed Chair Powell Testifies Before House Financial Services Committee

下院金融委員会で証言したパウエル議長(10日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  トレーダーは今、次のようなことを問い掛けている。それは、パウエル議長がそれほど経済成長見通しを心配しているなら、利下げ幅は市場が既に織り込み済みの0.25ポイントよりも大きくなるのであろうかというものだ。

  UBSセキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、セス・カーペンター氏(ニューヨーク在勤)は「経済が本当に減速しつつあり、景気腰折れを招きかねないショックに見舞われるのであれば」、0.25ポイント利下げでは「正当化できない」と指摘。「データ依存からリスク管理に移行しつつあることになる」と話した。

Traders pricing in more Fed easing, but still less than before the U.S. jobs report

  パウエル議長は10日、米経済が企業の景気信頼感の低下や製造業の世界的な減速、低迷が続くインフレ率などのリスクに直面していると、下院金融委員会で証言した。

  トレーダーは、月末に少なくとも0.25ポイントの利下げを見込んでおり、パウエル議長の発言を受けてより大幅な利下げの予想も増えた。市場は現在、2019年末までに計0.75ポイント程度の利下げを織り込んでおり、期間が短めの米国債利回りは、2年債が一時1.82%を付けるなど急低下した。10日はドルが下落する一方、S&P500種株価指数はいったん最高値を更新した。

  コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は顧客向けリポートでパウエル議長について、0.5ポイント利下げの可能性を「広くオープン」にしたままで、「利下げを期待するよう投資家を駆り立てているかのようだった」と記した。

  米金融当局についての肯定的ないし否定的なコメントが、政策運営の能力を「妨げた」ことはないかと問われたのに対し、パウエル議長は「われわれは常に議会から託された任務の遂行に全力で取り組むことに集中している」と答え、当局を取り巻く政治的影響を際立たせぬよう努めた。

  地区連銀総裁の間には、そもそも利下げの必要性を疑問視する声もある。リッチモンドとダラス、フィラデルフィア、クリーブランドの各連銀総裁だ。

  一方、0.5ポイントの利下げは危険な動きとなりかねない。投資家の間に、自分たちが感知していない何か緊急事態が進行中なのではないかとの疑念を生じさせる可能性がある。さらに、パウエル議長がどのような説明を行ったとしても、政治的な意味合いを帯びることにもなるだろう。

  マクロポリシー・パースペクティブズ創業者のジュリア・コロナド社長は、「緊急対応や大きな『銃』を取り出すというようりも、順序だった再調整」というのがパウエル議長のやり方だと述べ、0.5ポイント利下げの「可能性は低いと思う」と語った。

原題:Powell Sounds Dovish Enough to Open Door for a Half-Point Cut(抜粋)

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