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中国の工場は「必死」、米小売り調達先変更で-ウォルマート取引先

  • 貿易戦争が中国からの流出促し、工場閉鎖は今後増える-利豊CEO
  • 中国の工場は価格引き下げ、日欧の消費者ブランドには機会到来も
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米中貿易摩擦を懸念する米小売企業が中国からの調達先変更を加速する中、中国の工場が「緊急事態に陥っており、必死」になっていると消費者向け製品で世界最大のサプライヤー、リー・アンド・フォン(利豊)が明かす。

  香港に拠点を置く利豊の馮裕鈞(スペンサー・フォン)最高経営責任者(CEO)はブルームバーグとのインタビューで、世界のサプライチェーンを乱す貿易戦争が中国からの流出を後押しし、中国の工場閉鎖は今後増えると分析した。ウォルマートやナイキなど世界の主要小売企業向けにアジアから消費財の設計や調達、輸送を手掛ける同社は中国から生産を移転するよう米国の取引先から求められている。

Li &FungLtd. CEO Spencer Fung Interview

利豊の馮裕鈞CEO

Photographer: Bobby Yip/Bloomberg

  馮CEOは「米国の取引先の懸念は間違いなく非常に強い」と説明。トランプ米政権による中国からのほぼ全ての輸入品への追加関税の可能性に触れ、「どこも既に薄利で中国の比重が大きいところが大半だ。このため、25%引き上げとなれば懸念材料だ」と述べた。

  馮氏は具体的にウォルマートには言及しなかったが、ブルームバーグのデータによれば、ウォルマートは利豊にとって米コールズに次ぐ2番目の顧客であり、売上高の7.6%を占める。ウォルマートの広報担当者はコメントを控えた。

  利豊は米小売り大手とアジアの低コスト工場をつなぐ仲介役としての立場を構築しており、貿易戦争に伴って世界で起きつつある地殻変動に関して実地レベルで独自の視点を備えている。米中両国は貿易協議を再開したが、世界の工場として長らく中国に依存していた世界のサプライチェーンが変わりつつある兆しは広がっている。米インテルはサプライチェーンの見直しを発表。アップルやアマゾン・ドット・コムなども同じ方向で検討していると報じられた。

  「誰も投資したり買ったりしていない。どこに資金を振り向ければいいのか分からず、貿易戦争で投資が止まりつつある」と馮CEOは説明。トランプ大統領の習慣であるツイッターを使った通商政策の発表に触れ、「1回のツイートでベトナムに資金を投じる向きが増えた」と話す。

利豊の馮裕鈞CEOが米中貿易摩擦による世界のサプライチェーンへの影響を語る

(Source: Bloomberg)

  米小売企業では中国離れが相次ぎ、ベトナムの生産は既にフル稼働の状態だと馮氏は指摘。中国以外では製造規模が小さく、中国の生産能力を完全に代替することはできないことも浮き彫りにしている。

  一方、追い込まれた中国の工場は希望価格を引き下げており、欧州や日本の消費者ブランドにとっては機会も生じている。利豊は中国の整ったサプライチェーンを生かしつつ、コストも下げられると米国以外の取引先に対して助言している。

  馮氏は「欧州や非米系の小売業者にとっては調達の機会だ」と指摘。「中国では受注が減る一方の工場が多い。相手が誰であっても非常に良い価格を提示している」と語った。

Operations At The Pan-Pacific Co. Viet Pacific Clothing (VPC) Factory

ベトナム・バクニン省にある衣料工場

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

原題:Walmart’s Supplier Says Chinese Factories in ‘Desperate’ State(抜粋)

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