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不足続く「エピペン」、患者や薬局が入手に奮闘-米で新学期控え

  • FDAは18年5月に供給不足を指摘、少なくともそれ以降の入手困難
  • 廉価版や代替品あっても流通安定せず、使い方に慣れないとの声も

急性アレルギー反応の応急措置に使われるマイランの自己注射薬「エピペン」が絶え間なく不足し、患者や薬局が入手しようと手を尽くしている。

  米食品医薬品局(FDA)は2018年5月、エピペンの供給不足を指摘。少なくともそれ以降、入手が難しくなっている。マイランが出している廉価版を含め、他の選択肢もあるが、流通が安定しない上、そうした製品に対する支払いに消極的な保険会社の姿勢や、使い慣れないと感じる消費者もおり、代替品の利用も難しい。

  自宅近くに薬局が多い患者も入手に奔走している。ボストン在住のジャスティン・クラッセンさんは今年に入り、7歳の娘のために車で45分かけて郊外に出向いた。電話をかけたボストンから10マイル(約16キロメートル)圏内の薬局は全て在庫切れだったためだ。エピペンは2パック入りで600ドル(約6万5000円)余りだが、製造の問題で品薄になっている。

Mylan NV’s EpiPen Product Illustrations As Company's Move to Curb EpiPen Costs Blasted as PR Fix by Congress

イリノイ州の薬局の陳列棚にあるエピペン(2016年8月26日撮影)

Bloomberg

  「我が家には保険を使って1つでも2つでも購入できるお金がある。1つは学校に、もう1つは自宅に置いておきたい。しかし、資金的に1つも買えない家庭もあるほか、見つけるのも大変だ」と語った。

  エピペンは学校の新年度が始まるころ、特に入手が困難になりやすく、その時期に販売はピークを迎える傾向がある。全米の教師や学校関係者はエピペンの使い方講習を受けているが、「アドレナクリック」や「Auvi-Q」など競合品の使用方法を紹介されるケースはほとんどない。使い方に慣れるまでのちょっとした時間が、特に緊急時は犠牲を生む可能性を危惧する声もある。

  薬局もエピペンの確保に奮闘。ニューメキシコ州で薬局を経営するアシュリー・セイファースさんは、処方の直近の必要にかかわらず、入荷があればすぐに卸売業者に発注していると話した。

  エピペン不足が長引くと米当局も予想していることが、ここ数週間に講じられた措置で示唆され、来月に新学期を迎える子供の親には頭痛の種が増えそうだ。FDAは6月、エピペンなどの使用期限を4カ月延長すると発表した。不足がいつ解消するかは言えないと、FDAのアーノルド報道官は話した。

  この問題は、マイランが製造を委託するファイザー傘下メリディアン・メディカル・テクノロジーズがFDAから警告を受けた17年9月までさかのぼることができる。メリディアンは欠陥商品を巡り多数の苦情を受けたにもかかわらず調査しなかった疑いが持たれていた。

  ファイザーの広報担当キム・ベンカー氏はエピペンの製造工程は「かなり複雑でテクニカル」だと指摘。「当社の多大な努力にもかかわらず、さらなる供給不足が向こう数カ月続くと予想している」とし、「製品は定期的に出荷されており、できる限り早急にこの入手問題を恒久的に解決することに当社はコミットしている」と説明した。マイランの広報担当、ローレン・カシュタン氏はメリディアンからエピペンが到着次第、流通させていると述べている。

原題:‘There’s Nothing to Give Them’: Epipen Shortage Drags On(抜粋)

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