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日韓対立は出口見えず、過去数十年で最悪の関係に-国内政治も圧力

  • 文大統領は財閥トップらとの懇談会で日韓対立の長期化を警告
  • 7月21日に参議院選挙、安倍首相に妥協のインセンティブなし

日本と韓国の両国政府は、日本による半導体材料の輸出規制強化について話し合う用意があるとしているが、対立解消に向け自国の主張を曲げる政治的インセンティブはいずれにもない。

  数十年にわたる相互不信が新たに芽生えた貿易紛争での譲歩を難しくしている。7月21日の参議院選挙を含むさまざまなイベントが迫るなか政治的圧力は増す一方で、安倍晋三首相、韓国の文在寅大統領とも、弱さを見せることができない。

  文大統領は10日に開いた財閥トップらとの懇談会で、日韓の対立が長期化する恐れがあると警告した。安倍首相は先週の選挙討論会で、韓国の約束違反を批判した。

Key World Leaders Attend The G-20 Summit

安倍晋三首相と韓国の文在寅大統領

Photographer: Kim Kyung-Hoon/Pool via Bloomberg

  日本国際問題研究所で北アジアの安全保障問題を専門とする上級研究員のジョナサン・バークシャー・ミラー氏は、「両首脳とも、いかなる種類であれ政治的な和解には全く相いれない」と述べ、「文大統領に対する日本の感じ方はネガティブだし、安倍首相は韓国では明らかに好ましくない人物だ」と指摘した。

  対立は韓国最高裁が一連の訴訟で日本企業に対し元徴用工らへの賠償命令を下したことを発端に悪化。安倍政権は先週、同問題への事実上の対抗措置として輸出規制を発表した。日本はさらに、貿易上の優遇措置が適用される「ホワイト国」から韓国を除外することも検討しており、そうなればさらに広範な品目に影響が及ぶ可能性がある。

  韓国経済は1-3月(第1四半期)に10年ぶりの大幅マイナス成長となり、文大統領はこれ以上の景気悪化を座視することはできない。しかし、妥協への道は複雑さを増すばかりだ。日本は元徴用工問題で第三国を交えた仲裁委員会の設置を要請している。安倍首相は輸出規制強化と元徴用工問題は無関係だとの立場で、2つの問題についての交渉を別個のものとする考えだ。世耕弘成経済産業相は9日、韓国から輸出規制強化に関する協議の要請があれば拒まないものの、立場を説明するためであり交渉する意向はないと強調した。

  2011-13年にかけて駐日韓国大使を務めた申珏秀氏は、「両国とその国民が冷静になり、感情的なやり取りをやめ、もっと幅広い視点で重要な両国関係を見つめることが必要だ」と述べた。その上で、米国が北東アジアの重要な同盟国である両国に「やんわりと影響力を行使」するよう呼び掛けた。

  トランプ政権は日韓対立についてこれまでほとんど公に発言していないが、新たに就任した東アジア・太平洋担当の国務次官補、デービッド・スティルウェル氏が11日に東京を訪れた際に何らかの発言をする機会があるかもしれない。

  元外交官で立命館大学の宮家邦彦客員教授は、日韓両国ともこの問題を解決できないとの見方を示し、企業や金融市場から強いメッセージが発せられるまで転換点は訪れないだろうと話した。

  日韓問題は今後、以下の日程が続く。

  • 7月15日 韓国が三菱重工に元徴用工への賠償協議に応じるよう求めている期限
  • 7月18日 元徴用工問題で、日本が韓国に仲裁の第三国を選定するよう求めている期限
  • 7月21日 参議院選挙投開票
  • 7月24日 日本が韓国を「ホワイト国」から除外する計画について、意見公募を締め切り
  • 8月15日 韓国、日本の植民地支配から脱した「光復節」の祝日

原題:No Exit in Sight From Worst Japan-South Korea Dispute in Decades(抜粋)

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