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再選目指すトランプ氏の対中戦略、どう読むか-北京で2つの見方

  • トランプ氏を巡る最大の問題は予測不可能なこと-魏建国氏
  • 習主席がトランプ氏の再選を望んでいるとは思わない-時殷弘氏

米中通商交渉が再開したが、北京ではほとんど誰も合意への明確な道筋を見通せないでいる。

  トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が貿易戦争の「休戦」で先月末に合意後の先週、北京で官僚や政府顧問、研究員ら10人余りから話を聞いたが、悲観的な見方が圧倒的だった。近いうちに米中合意が可能かどうかの鍵を握る最も重要な要因は、2020年の米大統領選挙をにらんだトランプ氏の再選戦略というのが大方の見方だ。

JAPAN-G20-SUMMIT

米中首脳会談(大阪で、6月29日)

  中国国際経済交流センターの魏建国副理事長は「トランプ氏最大の目標は20年の再選だ」と述べ、同氏の全ての行動が再選を狙ったものだと分析する。

  ロシアのように米大統領選に介入したとの疑いをかけられることを恐れ、中国当局者の多くは20年の米大統領選について語るのをためらうが、それでも選挙活動を進めるトランプ氏の対中戦略について2つの見方が浮上している。

  1つはトランプ氏が有権者を喜ばすため来年に向け中国との合意に至る必要があり、そのため中国側の要求を受け入れるというものだ。一方で、選挙戦を通じ合意先送りを続け、特に米国の経済と株式市場が持ちこたえている場合は、そうするだろうとの考えもある。厳しい対中姿勢を示すという点で基本的に一致している民主党の候補と政策を競い合う必要があるためだ。

Finince seniors discuss the future of global finance in Beijing

魏建国氏

  ここ数年にわたり挑発を繰り返すトランプ氏だが、中国国内には同氏がより良い取引に応じるだろうとみる向きもある。トランプ氏は現実主義者で、再選を果たせば中国と闘い続けるより和解の道を選ぶという認識だ。

  その裏側にあるのは、中国支配者層の一部に広がる米民主党、特に16年の大統領選でトランプ氏に敗れたクリントン元米国務長官に対する懸念だ。商務次官を務めた魏氏は「中国の国民とシンクタンクは民主党とクリントン元長官に悪いイメージを抱いている」と言う。「トランプ氏を巡る最大の問題は予測不可能な人物で、やると言ったことを常に実行するわけでないということだ。ただ、トランプ氏は取引のできる相手だとの印象を抱かせる」と話す。

  民主党は一般的に人権を重視し、同盟国と協力し中国政府に圧力をかけるが、全体的には中国に敬意を払い、確立した組織を介して対応する。外交問題で国務院に助言している時殷弘・中国人民大学米国研究センター主任は「習主席がトランプ氏の再選を望んでいるとは思わない」と語る。どんな民主党の大統領であれ、トランプ氏ほど「遠慮会釈がないということはない」とみているためだ。

原題:China Eyes Trump’s 2020 Strategy for Clues on Trade War Deal(抜粋)

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