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豊かになりつつあるインド人が救いの手-中国人観光客伸び悩むタイ

  • タイに今起きていることはアジア観光業にとって「炭鉱のカナリア」
  • 重要なのはリスクの分散、単一市場に頼れず-タイホテル協会副会長
Tourists relax at Patong Beach in Patong, Phuket, Thailand, on Tuesday, Jan. 16, 2018. Thailand's junta leader may seek to retain power after elections scheduled for later this year through support from several different political groups, former Prime Minister Abhisit Vejjajiva said. Photograph: Taylor Weidman/Bloomberg

中国人旅行者の減少に見舞われているタイ観光業界だが、そこに救いの手を差し伸べているのがインド人だ。

  熱帯の島プーケットのビーチに面したホテル「ビジット・リゾート」。中国人観光客の客室稼働率は失速する一方、インドからの予約が増え始めた。同リゾートの総支配人でタイホテル協会の副会長でもあるコンサック・クーポンサコーン氏は「中国人が以前そうだったようにインド人が今、業界の伸びをけん引している」と話す。

  中国人の観光が成熟し、インド人旅行者のインバウンド市場が台頭している。タイに今起きていることは、他のアジア諸国におけるレジャー産業に警告を発する「炭鉱のカナリア」かもしれない。中国人旅行者の急増でタイ観光業は年10%程度の伸びを続けてきたが、2018年のプーケットでのボート転覆事故で数十人の中国人観光客が死亡したことや、中国本土経済の減速でタイへの旅行者数が減少した。

  対照的に増えているのがインド人観光客だ。直行便の増加やビザ(査証)免除に加え、何よりインド人が一段と豊かになっていることが、ここ数カ月でインド人のタイ旅行を加速させている。

Poles Apart

  人口13億人のインドでは中間所得者層が急拡大している。こうしたミドルクラスの海外旅行需要を当て込み、タイ当局はインド人観光客見通しを上方修正し、2028年には少なくともインドから1000万人がタイを訪れると見込む。18年の5倍以上だ。中国からの訪問者数は08年の80万人から昨年の1000万人超へと急増したが、インドも同じような軌道をたどるとみる。

  タイを訪れる外国人のうち、中国人は現在28%を占める。これに対しインドはまだ4%。10年以内にインド人が全体の15%程度に増え、中国人は約30%に達する見通しだ。タイ財務省でマクロ経済政策を担当しているピシット・プアパン氏は「インバウンド市場でインド人は中国人に匹敵する可能性がある」と言う。

  タイ最大の格安航空会社(LCC)、タイ・エアアジアではインド・タイ間の乗客数が今年1ー3月に前年同期比20%増えた。同社は今、バンコクとインドの9都市間を週47便運航しているが、インドの就航都市を増やす計画だ。
 
  ただ、タイホテル協会のコンサック副会長は今後に期待しながらも慎重な姿勢も示す。「重要なのはリスクの分散であり、さまざまな国からの観光客を良好なバランスで市場に迎え入れることだ。単一の市場に頼ることはできない」と語る。

原題:Rich Indians to the Rescue as Chinese Tourists Shun Thailand(抜粋)

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