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強い米雇用統計、「市場は望んでいなかった」-市場関係者の反応

米国の労働市場に力強い拡大の勢いが戻ったことを、市場は不安な気持ちで受け止めた。金融当局が政策金利を引き下げる論拠が弱まったとの懸念から、5日の米株式相場は下落した。

  S&P500種株価指数は前日比で一時0.9%安となった。6月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数はエコノミスト予想を上回る前月比22万4000人増。これでパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の景気刺激策に対する考えが変わるかどうか、ストラテジストや投資家はまだわからないとの見方だ。一部市場関係者の反応は以下の通り。

Stock futures fall, yields spike after jobs data release
  • デロレス・ルービン氏、ドイツ銀行ウェルスマネジメントのシニア株式トレーダー

まず出た反応の一つは「7月の利下げはこれでなくなった、というもの」。「ただ、これが市場の望んだものとは違っていたことを、株価指数先物の反応は示している。問題は、連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される指標から、利下げに対する違和感を取り除くのに十分な軟調シグナルが出るかどうかだ。独立記念日の祝日明けの金曜で市場参加者が通常より少ないため、相場変動が誇張された面はあるのではないかと思う」

  • リンゼー・バーナム氏、スミス・キャピタル・インベスターズのマクロ部門責任者

「市場の反応の一つは、7月に利下げを見送る選択肢がこの統計で当局に与えられた、というもの。それは時に高リスク資産にマイナスの影響を及ぼすことがあるが、米利下げの確率を織り込み直す必要があることから、変動は短命に終わる可能性がある。全体的に見て、米国は雇用と消費において強固な基盤を保っており、これまでに起きた一時的な混乱を乗り越えることが高リスク資産にプラスとなるだろう。リプライスの課程で一時的に相場が変動する可能性はあるが、強い基盤は高リスク資産のプラス要因になるはずだ」

  • ピーター・ブックバー氏、ブリークリー・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)

「正直に認めようではないか。過去最高値更新を伴う足元の株高は、過去数週間に出た経済指標が弱かったため、金融緩和にまっしぐらに進んでいるとの期待感が支えていた。雇用統計は遅行指標であり、全面解除のシグナルでは決してないが、緩和まっしぐらという見方を押しとどめ、はね返したのは確かだろう」

  • デニス・ディバッシャー氏、エバコアISIのポートフォリオ戦略責任者

「軟調な経済指標はこのほかにも幾つか出ていたが、これらのうちどの程度が経済情勢でなく貿易に関連していたのかを解き明かすことが、より大きな問題だ。経済情勢ではなく貿易関連に違いないと思われるのは2、3あった。高リスク資産の観点からは申し分のない統計だったと無理なく言える。つまり労働市場は強いが、当局が緩和バイアスを変更するべきだと示唆するような内容ではない」

原題:‘Not What the Market Wants:’ Payroll Data Is Too Hot for Comfort(抜粋)

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