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IMF専務理事、欧州がポスト確保の公算-米との不文律堅持へ

  • オズボーン前英財務相が次期専務理事への立候補を検討と関係者
  • 米財務次官だったマルパス氏は欧州からの反対なしで世銀総裁に就任

国際通貨基金(IMF)理事会は、ラガルド専務理事が欧州中央銀行(ECB)総裁へと転出する見通しとなったことに伴い、後任の専務理事の選定プロセスを今後進めることになる。過去70年余りにわたって欧州出身者が就いてきたこのポストを引き続き確保することを、欧州各国政府は見込んでいる。

  ラガルド氏が退任することで、新興国出身者がIMF専務理事に就任するのがふさわしいのではないかとの議論があらためて繰り広げられるだろう。しかし、欧州の主要2カ国の政府当局者らは、欧州が継続性を強く求めるだろうと予想する。

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ラガルドIMF専務理事

  世界銀行総裁に米国人、IMF専務理事には欧州出身者が就くという不文律は、トランプ米政権の財務次官を務めたデービッド・マルパス氏が世銀総裁に就任したことで守られた。この人選に欧州が異を唱えなかったことで、IMFについての欧州の立場は強くなる。

  欧州連合(EU)加盟国は先週末の駆け引きの末、2日にようやくラガルド氏のECB総裁指名で決着したばかりで、誰がIMF専務理事の候補となるか予測するには時期尚早だ。

  事情に詳しい関係者1人の話では、ジョージ・オズボーン前英財務相は次期専務理事への立候補を検討している。オズボーン氏はラガルド氏が現職に立候補した際、早い段階から支持を表明した経緯がある。最近では、英夕刊紙イブニング・スタンダードのエディターとして次期英首相にボリス・ジョンソン氏を推す考えを示しており、そのことによってオズボーン氏の推薦確保は容易となる可能性がある。

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オズボーン前英財務相

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  英国人が過去にIMF専務理事を務めたことはなく、新政権は世界におけるEU離脱後の英国の地位を強化しようと候補者擁立を狙うかもしれない。ただユーロ圏諸国は、EU離脱を巡って英国に罰を与えようとするかもしれないほか、オズボーン氏については財務相在任中に緊縮財政を推進したことで新興国に歓迎されない可能性もある。

  ロンドン在勤の候補としては、イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁も考えられる。2020年1月いっぱいで退任予定の同総裁は英国とアイルランド、カナダのパスポートを持つ。イングランド銀はコメントを控えた。

  他の候補では、IMFでエコノミストとして勤務経験のあるドイツ連邦銀行のバイトマン総裁も挙げられるが、総裁のオフィスは4日、バイトマン氏に立候補の意思がないことを明らかにした。ECBのクーレ理事にも十分資格があると目されるものの、仏出身者が2人続いているため、指名の可能性は小さい。

  フィンランド中銀のレーン総裁も潜在的な候補の1人であるものの、金融危機後の時期に欧州委員(経済・通貨問題担当)として緊縮策を推し進めたことが、オズボーン氏の場合と同様に人々の記憶に残っているかもしれない。

  このほか、フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ元首相やカタイネン欧州委副委員長(成長・投資担当)、デンマークのヘレ・トーニングシュミット前首相、ブルガリア出身のクリスタリナ・ゲオルギエバ世銀最高経営責任者(CEO)も取り沙汰される可能性がある。

French Connections

IMF managing directors have been predominantly from one country

Source: International Monetary Fund

原題:Europe Set to Keep Hold of IMF Leadership as Lagarde Leaves (1)(抜粋)

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