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日韓、輸出規制で「非常に危険」な関係悪化も-トランプ政権は静観

  • 経済戦争への道を歩み始めている-スタンフォード大スナイダー氏
  • 安全保障に影響及ぼしかねない危機の始まり-元駐日韓国大使
Pedestrians in the Myeongdong shopping district of Seoul, South Korea.

Pedestrians in the Myeongdong shopping district of Seoul, South Korea.

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg
Pedestrians in the Myeongdong shopping district of Seoul, South Korea.
Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

日本と韓国は何十年もの間、両国間の反目を言葉の応酬や外交の冷え込みに大方限定することができていたが、米トランプ政権が静観姿勢を強める今、経済紛争に向かいつつある。

  日本が朝鮮半島を支配した1910-45年の徴用工問題を巡る論争は、安倍晋三政権が韓国に対する半導体材料の輸出規制を4日強化したことで、新たな局面を迎えた。韓国の洪楠基経済副首相兼企画財政相は同日、日本が輸出規制を撤回しなければ韓国側は「相応の措置」を検討すると韓国CBSラジオとのインタビューで述べた。

  こうした中、米国の主要貿易相手国で同盟国でもある日韓両国の緊張が手に負えない状況に悪化しかねないとの懸念が浮上している。両国の歴史観について多数の著述があり、米スタンフォード大学で東アジア研究の講師を務めるダニエル・スナイダー氏は「経済戦争への道を歩み始めている。非常に危険だ」と話す。

  米国が従来、日韓関係の緊張が高まると介入してきたのは、3カ国とも北朝鮮からの安全保障上の脅威と域内での中国の軍事的影響力拡大に直面しているからだ。だが、トランプ米大統領は日本や韓国での終わりのない米軍駐留に疑問を呈し、アジアの同盟国同士による論争で不在を決め込んでいる。トランプ氏は過去1週間に日本と韓国を訪問したが、日韓対立を緩和させるような公の発言を行わず、日韓両国はこれを論争の継続容認と解釈するかもしれないとスナイダー氏はみる。

  同氏は「米国は北アジアの2つの同盟国間で緊張が激化すれば、米国の安全保障上の利益に脅威になると常に理解していた。だが、現政権はその責任を捨てた」と指摘した。

  米国は1965年の日韓請求権協定の成立を仲介した経緯がある。米国務省当局者は日米韓には地域で共有する課題があり、緊密な関係維持が不可欠だと匿名を条件に述べた。

  2011ー13年に駐日韓国大使を務め日韓対立の最前線に立った経歴を持つ申珏秀氏は、現在の摩擦は「非常に危険な悪循環の前触れ」になる可能性があると指摘。自国に対しては日本が韓国の反応にいら立つ理由を理解するよう助言し、日本側には安全保障に影響を及ぼしかねない「取り返しのつかない危機」の始まりだと警告。「日韓関係の深い亀裂で誰が恩恵を受けるのか真剣に考えるべきだ」と付け加えた。

  日本の対韓輸出管理強化は、世界のサプライチェーンに「深刻な影響」をもたらし、サムスン電子SKハイニックスなど韓国テクノロジー企業の生産が混乱する恐れがあると、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日にリポートで指摘している。

原題:Japan-South Korea Spat Takes Dangerous Turn as Trump Stays Quiet(抜粋)

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