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ホワイトハウス、ウォラー氏のFRB理事起用でハト派増幅狙うか

  • トランプ大統領はセントルイス連銀のウォラー氏を指名する意向
  • 「ホワイトハウスの今回のやり方は巧妙だ」-デレク・タン氏

米連邦準備制度理事会(FRB)理事ポストを巡り、ホワイトハウスから打診のあったセントルイス連銀のブラード総裁は、興味がないと答えた。その後トランプ大統領は、金融政策スタンスが同総裁のそれにとてもよく似た人物に声をかけた。

  トランプ大統領は2日、空席となっているFRB理事2人のポストの1つに、セントルイス連銀のクリストファー・ウォラー調査局長を指名する意向を表明した。ウォラー氏は、ブラード氏がインディアナ大学で経済学博士号を取得した際の指導教官だった。ブラード総裁が低金利にコミットするようになったのには、ウォラー氏(60)の助力があり、金融政策は新たなパラダイムにあって、利上げは必要とされないとする同総裁のここ3年間の見解をウォラー氏は共有する。

Federal Reserve Jackson Hole Economic Symposium

クリストファー・ウォラー氏

  「景気過熱の兆候は一切見られない。このため、なぜ利上げするのか、という質問になる」。ウォラー氏は6月25日、ブルームバーグラジオとのインタビューでこのようにコメント。「利上げのためだけに利上げする理由は全く見当たらない」と語った。

  トランプ大統領はもう1つの理事ポストについて、保守派エコノミストのジュディ・シェルトン氏を指名する意向を示した。大統領は利下げ要求を繰り返しているが、ウォラー、シェルトン両氏ともその支持に回る公算が大きい。

  トランプ大統領は昨年の米利上げを巡り、ペースが速過ぎて行き過ぎだとし、パウエルFRB議長を何度も非難している。こうした状況はウォラー氏が精通しているテーマだ。

  学術誌に数多く掲載されたウォラー氏の論文のうち、最も広範に引用されているものの多くは中央銀行の独立性を扱ったもであり、それは政府が短期的な政治目的のために金融政策を乱用することがないよう確保する「主要な道具」だと同氏は呼んでいる。

  ウォラー氏の上司であるブラード総裁(58)は、先月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、利下げを訴えて金利据え置き決定に唯一の反対票を投じた。

James Bullard

ブラード総裁

  ウォラー氏も反対意見を表明するのをためらうことはないと話すのは、やはり同氏の教え子の1人であるバークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏だ。

  2008年にセントルイス連銀総裁に就任したブラード氏は、当時ノートルダム大学教授だったウォラー氏を同連銀の調査局長として招いた。

  ウォラー氏は17年、ブルームバーグラジオとのインタビューでブラード総裁について、「公私共にほぼ30年来の付き合いで気軽に議論でき、彼は上司になっても、私の意見によく耳を傾ける」と話していた。

  大統領が明らかにしたウォラー氏指名の意向について、同氏もブラード総裁もコメントを控えた。

  ワシントンを拠点とする政策調査会社、LHマイヤーのエコノミスト、デレク・タン氏は、ウォラー氏が「過去何年にもわたり、ブラード総裁の政策見解に重要なアイデアを提供してきた」と指摘。「セントルイス連銀のハト派傾斜をFOMCで広く増幅させる上で、ホワイトハウスの今回のやり方は巧妙だ」との考えを示した。 

原題:St. Louis Fed’s Waller Joins Bullard in a Dovish Duo at the Fed (抜粋)

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