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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日銀の国債買い入れオペに減額限界説、超長期債に一段の買い圧力

A Japanese national flag flies outside the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Thursday, June 20, 2019. The BOJ kept monetary policy unchanged, just hours after the Federal Reserve became the latest central bank to signal a willingness to cut interest rates in the face of rising threats to global growth.
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本銀行は3日に実施した国債買い入れオペで金利上昇につながるはずの減額を行ったにもかかわらず、債券市場では超長期ゾーンを中心に買いが優勢となり、金利は大幅に低下した。市場関係者からは日銀が現行の金融政策を維持する限り、大幅なオペ減額は困難との見方が出ている。

  今回のオペの対象となった残存期間3年超5年以下と10年超25年以下の買い入れ額は前回比でそれぞれ200億円減った一方、1年超3年以下は300億円増えた。3ゾーン合計では100億円の減額となり、市場の需給を緩めて金利の押し上げ要因となるはず。だが、新発20年債利回りと新発30年債利回りはいずれも1週間ぶりの低水準、新発5年債や新発10年債を含むほぼ全年限が買われ、市場の金利はむしろ低下した。

日銀オペ通知後も債券先物は堅調

  7月のオペ運営計画が発表された前週末以降、今回の減額を織り込む形で徐々に売りが優勢となったことから、反動的な買い戻しがあった可能性はあるものの、市場関係者が注目したのは日銀による1年超3年以下の国債買い入れを増額したことのようだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは3日付リポートで、日銀が買い入れ回数の引き下げ方針がなく、かつ金利上昇を止める意図もない状況で、買い入れ増額を決めるのは異例だと指摘した。

  野村証券の中島武信シニア金利ストラテジストは、もし1年超3年以下の買い入れ増額がなければ、年1兆7000億円近い減額になるため、マネタリーベースや国債保有残高の観点からの出口感を避ける狙いもあった可能性があるとみている。

  稲留氏は、現行の金融政策を実施する上で目標としているコア消費者物価指数(CPI)実績値が安定的に 2%を超える状況は当面想定されないため、日銀はマネタリーベースを増やし続けなけれ ばならないと指摘。マネタリーベースを増やす中心的な手段は長期国債の買い入れのため、 オペ減額の余地の目安は、日銀保有国債の残高が前年同期比マイナスにならない規模に近い水準とみられるが、年間で月約1.6兆円を減額してきた2018年度と同じペースで減額が進むと、来春ごろまでには減額余地 が無くなっている公算だという。

 

日銀オペ提示額(金額は億円)

年限提示額前回比較
1ー338003500+300
3ー538004000▲200
10ー2518002000▲200
25年超400400

  

  日銀は前週末に公表した7月のオペ運営方針で、1年超3年以下の買い入れ額の上限を500億円引き上げた一方、3年超5年以下と10年超25以下は500億円引き下げた。金利差逆転が顕著な3年超5年以下に関しては買い入れ額の下限も500億円引き下げた。

7月の国債買い入れオペ運営方針の記事はこちらをご覧下さい。

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