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Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

「何でもあり」の市場に警戒を、トランプ氏の欧州・中国為替批判で

更新日時
  • 欧州と中国は「大きな為替操作ゲーム」に興じているとトランプ氏
  • ドル売り介入、トランプ氏の下なら驚かない-CIBCライ氏
Pedestrians walk along Wall Street near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S., on Friday, May 24, 2019. U.S. equities climbed at the end of a bruising week in which escalating trade tensions dominated markets.
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

欧州と中国が自国通貨を操作しているとして、トランプ米大統領があらためて批判を展開したことを受け、為替アナリストらは米政権の次の動きに備え戦略を立てようとしている。

  つい数日前に中国の習近平国家主席と関税合戦の休戦を宣言したばかりのトランプ大統領は、3日のツイートで欧州と中国は「大きな為替操作ゲーム」に興じていると責め立てた。

President Trump Holds Singing Ceremony For H.R. 3151, The Taxpayer First Act

トランプ大統領

Photographer: Zach Gibson/Bloomberg

  市場観測筋の目には、今回のトランプ氏のツイートは単なる口先介入にとどまらない可能性を示唆しているように映った。ツイートは「われわれも同じ事をやるべきだ。そうでなければ、他国が何年も前からゲームを続けるのを座っておとなしく眺めている間抜けであり続けることになる!」と続いた。米財務省がドル安に誘導する為替介入に踏み切る可能性について、ストラテジストらは考え始めている。

  米国は2011年以来、為替市場に介入していない。当時の介入は日本の大震災を受けて円が急騰したため、国際協調介入の一環としてのドル買いだった。だが米財務省が5月末に中国を為替操作国として正式に認定することを見送った後も、トランプ氏はドル高への不満を繰り返し唱えている。カナダ・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)は、いかなる可能性も排除できないとみている。

  CIBCの北米為替戦略責任者ビパン・ライ氏は、「米財務省が1カ月前に発表した直近の報告書にもかかわらず、為替操作がトランプ氏の頭を離れない。つまり、われわれはどのような事態にも備えておくべきだ」と発言。「米財務省によるドル売り介入は、過去数十年実施されていないが、トランプ氏の下でそれが変わっても驚かない」と述べた。

  ライ氏は今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和が見送られた場合、介入リスクが高まるとみている。トランプ氏は数カ月前からパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への圧力を強めており、6月には利下げをしなかった米金融当局を「頑固な子供」だと非難した。

  フィデリティ・インターナショナルのグローバル・クロスアセット・インベストメント・スペシャリストのアンソニー・ドイル氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、他の主要な中銀が金融緩和を開始する中でトランプ大統領は口先介入を強める可能性があると指摘。「今後数カ月、口先介入が増えても驚かない」とした上で、「通貨安を通じてインフレ圧力や競争力の押し上げを図るのは中銀が用い得る経済支援策の1つであり、現時点では唯一の選択肢だ」と説明した。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)の外為ストラテジスト、ベン・ランドル氏は電子メールで、債券トレーダーの大方の予想通り、米当局が今月のFOMCで利下げを実施した場合でもトランプ大統領は満足しない可能性があるとし、「少なくとも当面は大統領の思い通りになる可能性が高い。しかし米経済の好調さが続き、その結果ドルが回復力を示した場合、問題が生じる。利下げでうまくいかなければ、為替介入の誘惑は強まるだろう」と分析した。

原題:Be ‘Prepared for Anything’ as Trump Slams Europe, China on FX(抜粋)

(7段落目以降にストラテジストらのコメントを追加して更新します.)
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