コンテンツにスキップする

ラガルド氏のECB,総裁の役割に大きな変化も

  • 初の女性で、中銀での経験を全く持たない初めてのECB総裁となる
  • ラガルド氏はエコノミストというよりは政治家だ-BNYメロン

クリスティーヌ・ラガルド氏がマリオ・ドラギ氏の後を引き継ぎ欧州中央銀行(ECB)総裁に就任した後、総裁の役割は大きく変わるかもしれない。

  国際通貨基金(IMF)専務理事のラガルド氏(63)はECB総裁として初の女性であるばかりでなく、中銀での経験を全く持たない初めての人物だ。

IMF World Economic Outlook Press Briefing

ラガルド氏

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  その代わりに、ラガルド氏はフランスの財務相として、またIMF専務理事として磨いた政治家としての手腕をECBにもたらす。EU市民から理解が得にくい時代に、同氏のスキルは中銀当局者らのイメージを修復するのに役立つかもしれない。ラガルド氏はまた、ユーロ圏の経済的課題に対する想像力に富んだ解決策を打ち出すに当たり、ドラギ総裁よりもECBスタッフの能力に大きく依存するかもしれない。

  BNYメロン・インベストメントのチーフストラテジスト、アリシア・レビン氏はブルームバーグテレビジョンの番組で、「ラガルド氏はエコノミストというよりは政治家だ」 として、同氏にはECBでの仕事を「手助けできる最高のエコノミストが付いているのだと思う」と語った。

  欧州経済は世界的な貿易摩擦に起因する製造業の不振に陥っているが、これは幅広い景気低迷に発展する可能性がある。ドラギ総裁は退任前に景気刺激措置を再開しようとしている。ラガルド氏は以前に、量的緩和(QE)を開始しようとするドラギ氏を支持しており、同じアプローチを継続する公算が大きい。その場合、政策についてのアイデアを出すのはECBメンバーら、ラガルド氏はそのコミュニケーションを担うという形になるかもしれない。

  JPモルガン・チェースのクロスアセット基本戦略責任者、ジョン・ノーマンド氏は、ECBが金融緩和を再開するに当たり、総裁職において政策を売り込む「セールス技能」という面で政治家は有用かもしれない」と述べた。ただ、「次期ECB総裁が金融政策について十分な経験がない人物だと、心配ではある」と付け加えた。

  一方、欧州議会の経済・金融問題委員会の委員長を務めた経歴を持つ英議員シャロン・ボウルズ氏は、ラガルド氏はECB総裁職を十分にこなすことができるとの見解を示した。政策は「1人の人間が決めるのではなく、委員会が決めるものだ」と同氏は述べた。

BNYメロン・インベストメントのアリシア・レビン氏らがブルームバーグTVでラガルド氏起用について語る

(Source: Bloomberg)

原題:A Lagarde-Run ECB Might Mean a Very Different Kind of Presidency(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE