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布野日銀委員:FOMCで大きなサプライズない前提で会合に臨む

更新日時
  • 現時点で追加緩和必要ないがモメンタム喪失ならちゅうちょなく対応
  • 金融情勢つぶさに観察し、きちんと適切に踏まえた上で会合臨みたい

日本銀行の布野幸利審議委員は3日、広島市内で会見し、29、30両日開く金融政策決定会合について、31日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)で大きなサプライズがないという前提で臨むとの考えを示した。

  布野委員は、今月のFOMCについて「さほど大きなサプライズはないのではないか」と言明。その上で、金融政策決定会合には「米国の金融政策について今申し上げたような想定を置いた上で臨みたい」と述べた。

  景気については「年後半に向けて回復が期待できるのではないか」として、「現時点で追加緩和は必要ない状態にある」と説明。ただ、「将来、内外経済に変調が起こり、物価のモメンタムや好ましい雇用水準の維持が危ぶまれる状況が顕現化する場合は、ちゅうちょなく対策が必要だ」と述べた。

  政策金利のフォワードガイダンス(指針)の再延長も「現時点では必要ないと思うが、次の政策決定会合がある7月後半までどういう変化が出てくるかを注視しつつ、次の会合に臨みたい」と語った。

  追加緩和の手段については「短期、長期の金利、資産買い入れ、マネタリーベースという4つの方法とその組み合わせについて、手を縛られているとは思ってない」と言明。その上で、「経済、物価ならびに金融情勢を踏まえて展開するので、3番目の金融情勢についてはつぶさに観察し、きちんと適切に踏まえた上で会合に臨みたい」と述べた。

  トヨタ自動車出身の布野委員は為替相場について「日本企業の為替に対する耐性は高まっているという一般的な理解が共有されていると思うが、私はそれは間違いではない、そういった状況が過去数年にわたって進展してきた」との見方を示した。

  10月に予定される消費増税についても「5%から8%に引き上げられた前回2014年と比べ、現時点で駆け込み需要の発生度合いは少ないことは明らかだ。そういう意味では、増税後の反動も緩やかだと期待してよいのではないか」と述べた。

講演

  これに先立ち行った講演では、4月会合で「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」と明確化したフォワードガイダンスについて、「2020年春ごろを超えて現在の低金利を維持する可能性が十分に存在する」と指摘。「当分の間はイコール2020年春ごろまでということではなく、それ以降をも含む期間を意味している」と語った。

  景気については、米国のマクロ経済政策運営と国際金融市場への影響、米中通商交渉など保護主義的な動きの帰すうとその影響、新興国・資源国経済の動向、IT関連財のグローバル調整の進ちょく状況、英国の欧州連合(EU)離脱交渉の展開やその影響、地政学的リスクなど、「先行きのリスク要素は多岐にわたり、大きい」と説明。「海外経済は不安定な状況にあるとも言えるので、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も含めて、このようなリスクに気を配ることが必要だ」と語った。

(会見での発言を追加して見出しと全文を差し替えて更新します.)
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