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市場は「天国と地獄」を完全に織り込んだ-PIMCOが警告

  • PIMCO:リスク資産と無リスク資産の両方が上昇
  • 安全資産の多くがリターンのないリスクもたらす状況-バークレイズ
Trading On The Floor Of NYSE As Slack Releases IPO
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
Trading On The Floor Of NYSE As Slack Releases IPO
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

米国と中国は貿易戦争の休戦合意に達したもしれないが、投資家には他にも心配することが多くある。

  先週末の米中貿易交渉再開合意をきっかけとした興奮状態は急速に衰えつつあり、市場はベストケースとワーストケースの両方の相場シナリオを織り込んでいる。全ての「メルトアップ」に乗る人にとっては、守りの戦略に有り金をはたいてさらなる上昇に賭けるか、2019年の思いがけない利益を確定するかという難題を突きつけている。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、ジェラルディン・サンストローム氏は「無リスク資産とリスク資産の両方がラリーを演じた。いずれも完全に織り込んでいる。フィクストインカム市場は天国と地獄の間にある」と述べた。

  天国とは、ハト派寄りの金融政策と貿易戦争の解決が重なり、景気拡大持続にさらに追い風が吹くとの見方だ。地獄とは、貿易戦争の長期化や成長の失速、金融政策の力不足に備えるシナリオだ。

  こうした明暗分かれる見通しを踏まえ、PIMCOは優良株を選好しつつ株式をややアンダーウエートとし、流動性があり質の高いクレジット商品を有望視。押し目買いの機会のためにキャッシュを保持しているという。

債券相場の「過熱」

  トランプ米大統領が中国や欧州、メキシコとの通商関係で保護主義姿勢をエスカレートさせたことから、景気減速懸念が増幅され、米金融緩和観測が高まり、債券投資家は上期の賭けが非常に大きく報われた。しかしトレーディングはもはや、それほど単純ではない。経済指標はまちまちなシグナルを発しており、市場の米利下げ観測は行き過ぎのように見受けられる。バークレイズとゴールドマン・サックス・グループはいずれも、米国債の上昇が勢いを失ったとの兆候を背景にアンダーウエートに転じた。ブラックロックは最近の利回りの動きは「過剰」だとし、エクスポージャーを拡大する前に辛抱強さが必要だとしている。

  バークレイズ・インベストメント・ソリューションズのウィル・ホッブズ最高投資責任者(CIO)は、「安全な避難所とされる資産の多くが、無リスクのリターンではなく、リターンのないリスクをもたらしている局面にあると考える」と指摘する。

  債券市場の不安は確かに深刻に見える。JPモルガン・チェースのモデルによると、S&P500種株価指数は1年以内にリセッション(景気後退)入りする確率をゼロと見込み、米ジャンク債市場のスプレッドは8%の確率を示唆しているが、米国債市場では62%の確率を見込む。

  一方で、安全資産に対する投資家の飽くなき需要に支えられ、利回りがマイナス圏にある世界の債券は依然として過去最大に近い水準にある。こうした利回りが適正とされるのはリセッションリスクが高まりつつあり、新たな景気刺激策が打ち出されると想定する場合だが、仮に米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)が、金融政策を巡る極めてハト派的な期待に反することになれば、債券相場の強気派は損失に見舞われかねない。

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原題:‘Heaven and Hell’ Now Perfectly Priced in Markets, Pimco Warns(抜粋)

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